死刑執行に抗議する会長声明

死刑執行に抗議する会長声明

 本日、東京拘置所において3名、大阪拘置所において2名、広島拘置所において1名、福岡拘置所において1名、合わせて7名の死刑が執行された。
 今回の執行は、2017年12月に上川陽子法務大臣が就任してから2回目の執行であり、第二次安倍内閣以降、13回目、合計28名の執行がなされたことになる。
 今回、同日中に執行された者がこのように多数に亘ることは、極めて異例といわざるを得ない。また、今回執行された者のうち、6名はいずれも再審請求中であったが、これは昨年12月19日に執行された者と同じく、再審請求について裁判所の判断を待たずに、法務省が再審開始決定はないと判断して死刑執行をしたことになる。再審請求中の死刑執行は極めて異例であり、司法の判断を軽視するもので、およそ是認できない。
 当会は、死刑のない社会を目指してどのような活動を行うべきかについて議論を重ねるとともに、市民とともに死刑制度の問題点を検討し、死刑制度について全社会的議論を呼びかけてきた。
 日弁連は、死刑制度を存続させれば死刑判決を下すか否かを人が判断する以上えん罪による処刑を避けることができないこと等を理由に、2016年10月7日に開催された第59回人権擁護大会において、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し、その中で2020年までに死刑制度を廃止すること等を国に求めた。
 死刑廃止は、国際的な趨勢であり、世界で死刑を廃止し、または停止している国は142ヶ国となっており、全世界の3分の2以上の国において死刑の執行はなされていない。2014年7月23日には、国連人権(自由権)規約委員会が日本政府に対し、「死刑の廃止を十分に考慮すること」との勧告を行っている。さらに、2016年12月19日、国連総会において、すべての死刑存置国に対し、死刑の廃止を視野に入れた死刑執行の停止を求める決議が採択されている。政府は、かかる勧告や決議を無視して執行したことになる。
 当会は、政府に対し、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑に関する情報を広く国民に公開することを要請するのみならず、死刑制度の廃止目標を設定し、これに向けた全社会的議論の喚起と刑罰制度全体の見直しを行うことを求めるものである。

2018年(平成30年)7月6日
     大阪弁護士会      
      会長 竹 岡  富 美 男

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