現在国会で審議されている憲法改正手続法改正案に反対する会長声明

現在国会で審議されている憲法改正手続法改正案に反対する会長声明

 本年5月11日、「日本国憲法の改正手続に関する法律」(以下 「憲法改正手続法」という。)の改正案(以下 「本改正案」という。)が衆議院本会議で可決され、現在参議院において審議されている。本改正案は、駅や商業施設への共通投票所の設置や期日前投票の弾力化など、2016年の公職選挙法改正に伴い導入された投票環境向上のための7項目の規定を整備するとともに、有料広告規制等については法施行後3年を目途に必要な法制上の措置を講ずる旨の附則が追加されたものである。
 当会は、2018年(平成30年)9月19日付の「憲法改正手続法の改正を求め、現行法での憲法改正に反対する意見書」(以下 「本会意見書」という。)において、現行の憲法改正手続法には、①熟慮期間が短い、②投票率・得票率の定めがない、③有料広告放送の利用について資金力の差により公平性を確保できないおそれがある、④公務員等及び教育者の地位利用による運動禁止文言が曖昧である、という問題点があり、これらの問題点について抜本的な改正がなされないままでの憲法改正には反対したところである。
 しかし、本改正案は、上記①②及び④については何らの検討も改正もなされず、③については附則が追加されたものの、必要な法制上の措置を講ずるにとどまり、措置の内容が全く明らかでない上、措置を講じる時期も3年後を目途とするだけで特定されていない。
 結局のところ、本改正案は、本意見書で改正を求めた4点について、何らの改正もなされていないのであって、本会意見書で指摘したのと同様、本改正法のもとでの憲法改正は国民の民意を真に反映したものとは言えず、国民主権に悖ると言わざるを得ない。
 したがって、当会としては、現在国会で審議されている本改正案に反対し、改めて上記4点についての改正を求めるとともに、本改正案での憲法改正に反対する。

2021年(令和3年)6月7日
        大阪弁護士会      
         会長 田中  宏

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