今から9年前の今日2002年10月11日,司法試験の論文試験の合格発表がありました。

 

論文試験の終了から発表までの約2か月半,受験生だった私にとっては夏休みのような期間で,論文試験前に読めなかった本をたくさん買い込んで読める貴重な時間でした。

 

2002年の論文試験が終わった7月下旬から,文庫化されたばかりの「ローマ人の物語」第1巻から第5巻(ローマは一日にして成らず~ハンニバル戦記)を買い込んで読み始めました。

同年9月には,第6巻から第7巻(勝者の混迷)が刊行され,この2冊を読み終わったころに論文試験の発表を迎えました。

 

それから2年後の2004年9月,第8巻から第10巻(ユリウス・カエサル ルビコン以前)が刊行されたのですが,57期修習の2回試験の最中でしたので,弁護士登録後に読むことになりました。

同年10月には,第11巻から第13巻(ユリウス・カエサル ルビコン以後),同年11月には,第14巻から第16巻(パクス・ロマーナ)が刊行され,弁護士登録間もない私はこれらを買い込んで読みました。

 

その後,弁護士2年目を迎える2005年9月に,第17巻から第20巻(悪名高き皇帝たち),同年10月には,第21巻から第23巻(危機と克服),弁護士3年目を迎える2006年9月には,第24巻から第26巻(賢帝の世紀),同年10月には,第27巻から第28巻(すべての道はローマに通ず)が刊行され,そのたびに買い求めました。

 

以後,毎年9月には「ローマ人の物語」文庫版が順次刊行され(2007年9月,第29巻から第31巻(終わりの始まり),2008年9月,第32巻から第34巻(迷走する帝国),2009年9月,第35巻から第37巻(最後の努力),2010年9月,第38巻から第40巻(キリストの勝利)),毎年9月に「ローマ人の物語」の刊行広告を見るたびに,読書の秋の到来を感じました。

 

そして,弁護士8年目を迎える今年2011年9月,第41巻から第43巻(ローマ世界の終焉)が刊行され,ようやく「ローマ人の物語」が終着駅に辿り着きました。

 

「ローマ人の物語」が文庫化された2002年からの10年間は,わが国では,小泉,安倍,福田,麻生内閣,政権交代後の鳩山,菅,野田内閣に相当する期間ですが,「ローマ人の物語」でも帝国が下り坂に差し掛かる時期(第29巻以降)がちょうど自民党政権末期に当たっていたことから,わが国の政治状況とも照らし合わせながら読み進めたことを覚えています。

 

「ローマ人の物語」が終焉を迎えた今日,現代のローマ帝国ともいうべき米国の覇権に黄色信号がともり,ローマ帝国の末裔ともいうべきEUも経済危機に直面しています。今後,世界情勢がどう展開するか予断を許しませんが,「ローマ人の物語」は色々と考えるヒントが満載ですので,今後も折を見て読み直そうと思っています。

 

最後に,長期間(ハードカバー版で15年間)にわたり,ローマ人の誕生から終焉まで,克明に描き切って下さった塩野七生先生,ありがとうございました。

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