ドラマ「イノセンス~冤罪弁護士~」の法律監修をしています
本年1月19日から日本テレビ系列で放送が開始しました連続ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』(土曜22時~ 主演:坂口健太郎さん・川口春菜さん https://www.ntv.co.jp/innocence/)の法律監修をさせていただいております。
前回のブログでも書きましたが、『リーガルハイ』(フジテレビ系列)、『グッドパートナー』(テレビ朝日系列)、『ヘッドハンター』(テレビ東京系列)、『リーガルV』(テレビ朝日系列)とドラマの法律監修はそこそこさせていただいているのですが、前シーズン(『リーガルV』)に引き続き、連続でドラマの法律監修をしたのは初めてです。最近1年の半分以上はドラマの法律監修業務をしていることになります。
法律監修の「地味な」業務内容については、前回のブログで書きましたので、今回は別ネタで。よろしければ、前回の10月29日のブログもご覧ください。
ドラマ「リーガルV」の法律監修をしています
本年10月11日からテレビ朝日系列で放送されました連続ドラマ『リーガルV』(木曜21時~ 主演:米倉涼子さん https://www.tv-asahi.co.jp/legal-v/)の法律監修をさせていただいております。
気が付けば、『リーガルハイ』(フジテレビ系列)、『グッドパートナー』(テレビ朝日系列)、『ヘッドハンター』(テレビ東京系列)とドラマの法律監修はそこそこさせていただくようになってきました。
プロスペクト理論
ブロガーの浜本です。2回目の投稿です。
お盆休みに、「経済学者たちの日米開戦 秋丸機関『幻の報告書』の謎を解く」(新潮選書)という本を読みました。
この本で、大変興味深い記述がありました。それは、
(a)確実に3000円支払わなければならない。
(b)8割の確率で4000円支払わなければならないが、2割の確率で1円も支払わなくてよい。
という2つの選択肢が与えられた場合、(b)の選択肢を選ぶ人が多い、というものです。
(b)の選択肢の損失の期待値は、-4000円×8割+0円×2割=-3200円であり、(a)の選択肢の損失の期待値(-3000円×10割=-3000円)より少ないので、(b)の選択肢を選ぶのは不合理なのですが、人は、損失が出る場合、確率は低くても損失がゼロになる可能性がある方(この事例では(b)の選択肢)に魅力を感じてしまうそうです(これを「プロスペクト理論」というそうです)。
今後法律相談の中で選択肢の提示を求められた場合には、このような点にも配慮しないといけないなぁ、との気付きを得たお盆休みになりました(なお、私は迷わず(b)の選択肢を選びました)。
法律ドラマ法律監修の「感覚」
「リーガルハイ」(フジテレビ)、「グッドパートナー」(テレビ朝日)といったドラマの法律監修をさせて頂いておりました。
テレビ関係の法律業務については、色々とさせて頂いているのですが、法律ドラマ監修については、上記法律ドラマの後は特にしていなかったのですが、今般、「ヘッドハンター」(テレビ東京)で少し法律監修をさせて頂きました。
そして、久しぶりに、ドラマプロットやドラマ台本を読みながら、ストーリー展開を法的に論理的に正しくするための事実提案をする「感覚」を思い出しました。
通常の弁護士業務は、事実を拾い、事実を分析し、法的解釈をするものです。法律ドラマの法律監修においても同じような作業をするわけですが、一つだけ異なることがあります。それは、ドラマのストーリーに沿って、想定すべき結果を生み出すために「事実」を「作り出す」ことを提案するという業務があることです。この業務が普段の弁護士業務を見直す機会にもなっております。
嘘の効用
末廣嚴太郎(1888年~1951年)という高名な法学者がいました。
その末廣博士が雑誌「改造」の大正11年7月号に掲載したのが、この「嘘の効用」という題名の論考です。当時は一般の方にもよく読まれたそうです。
1922年の話ですから、96年前の話になります。
なお、どうでもいい情報ですが、今も元気に暮らしている祖母が3歳のころの話です。
本読んだら眠れるかな~と思ってなんとなく手にとって読み始めたら、面白さに最後まで読んで、結局寝不足になってしまったという私にとって印象深い1冊です。
96年前の論考だから、古い考えだ、古典だと思ったら大間違い。
現代にも通用する、むしろ、大正のころから今が見えていたのではないかと思えるような鋭い指摘がなされています。
最近、日本評論社から新装版が出たので、ぜひ手にとって読んでいただきたい一冊です(※日本評論社からは1円ももらっていません。)。
たとえば、こんなくだりがあります。