2018年9月12日 (水)

医療事故調査制度

 

初めまして,中村克宏と申します。

私は,弁護士会の人権擁護委員会の医療部会に所属しており,医療にまつわる人権問題の研究をしたり,研究結果の報告をしたりしています。そして,医療部会で現在取り上げているテーマが「医療事故調査制度」です。

 

医療事故調査制度は,平成27年10月に施行された比較的新しい制度です。医療機関は,医療によって予期せぬ死亡・死産が生じたと判断した場合,事故を医療事故調査支援センターに報告するとともに,院内で調査委員会などを立ち上げ,原因究明・再発防止策の検討等を行い,調査結果を遺族と医療事故調査支援センターに報告することとされています。そして,遺族は,院内調査結果に納得ができない場合は,医療事故調査支援センター(第三者機関)に調査を依頼することができます。

 

このように,医療事故調査制度は,事故の原因を究明するとともに,事故情報を医療事故調査支援センターにて集約し,分析をして,今後の再発防止に役立てることを目的としています(責任追及を目的とした制度ではありません)。

 

医療事故により家族を失った遺族にとって,事故の原因究明と再発防止は強い願いです。しかし,これまでは,突然に死亡した原因が分からず,医療機関からも十分な説明を受けられない場合,遺族は原因究明のために裁判をせざるを得ないというケースがありました。医療事故調査制度の創設により,原因究明・再発防止のための新たな方法ができたといえます。

 

医療事故調査制度の開始から約3年が経ちますが,センターへの事故の報告件数は年間約400件であり,制度立ち上げ時に想定された年間1300~2000件という数に比べてかなり少なく,その認知度や,制度の理解度には疑問があります。

 

せっかく新しく創設された制度ですので,有効に活用されなければなりません。そのためにも,まずは医療事故調査制度の存在が広く知られるようになればと思っています。

 

医療事故調査制度

お恥ずかしながら、医療事故調査制度があることは、このブログでご紹介頂き知るに至りました。先生によれば、原因究明・再発防止のための新たな方法ができたといえるとのこと、画期的だと思いますので、広く市民の方々の利用に繋がればいいですね。

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