感染症診査協議会について
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
私は,大阪弁護士会の人権擁護委員会医療部会に所属している関係で,自治体の感染症診査協議会の委員をさせて頂いています。ここでは,1類から3類の感染症について医師から発生報告を受け,当該患者に対する就業制限,入院勧告又は入院延長の是非等について協議しています。1類から3類の感染症には,エボラ出血熱,ペスト,SARS,MERS,赤痢,腸管出血性大腸菌等様々ありますが,届出が最も多いのが結核です。そこで,結核について紹介します(年始から病気の話ですみません)。
結核というと,昭和20年代は日本において最も多い死因であり「死の病」として恐れられていました。しかし,その後に適切な治療法が開発され,近年では,たまに集団感染のニュースに触れる程度の「珍しい病気」という印象ではないでしょうか。もっとも,結核罹患率は,今でも全国平均で人口10万人あたり13人強であり,特に大阪府では人口10万人あたり21人程度であって,日本は未だに世界の中では「中まん延国」と位置づけられています。そして,年間で約1,800人が命を落としている重大な感染症です。
医療事故調査制度
初めまして,中村克宏と申します。
私は,弁護士会の人権擁護委員会の医療部会に所属しており,医療にまつわる人権問題の研究をしたり,研究結果の報告をしたりしています。そして,医療部会で現在取り上げているテーマが「医療事故調査制度」です。
医療事故調査制度は,平成27年10月に施行された比較的新しい制度です。医療機関は,医療によって予期せぬ死亡・死産が生じたと判断した場合,事故を医療事故調査支援センターに報告するとともに,院内で調査委員会などを立ち上げ,原因究明・再発防止策の検討等を行い,調査結果を遺族と医療事故調査支援センターに報告することとされています。そして,遺族は,院内調査結果に納得ができない場合は,医療事故調査支援センター(第三者機関)に調査を依頼することができます。
このように,医療事故調査制度は,事故の原因を究明するとともに,事故情報を医療事故調査支援センターにて集約し,分析をして,今後の再発防止に役立てることを目的としています(責任追及を目的とした制度ではありません)。