弁護士の敷居
中井でございます。
このブログメンバーの中でも、
いい加減、期が古くなってきて、
それ以上に人間が古びてきたので
そろそろお払い箱になるのではないかと思いながら、
今回もぼちぼちとやっていきます。
明日が投票日の日本弁護士連合会会長選挙について書こうと思ったのですが
まあ、このブログを読んでいる皆さんは、
誰が立候補しているのかとか、どんな主張がされているのかとか、
全く興味がないのかなぁ、と思い、別のことを書くことにしました。
以前、どなたかも書いておられたような気がするのですが、
弁護士が依頼者から事件の依頼を受けて、
裁判であれ、訴訟外の交渉であれ、
事件が終わった時に、どう締めくくるのかに結構悩まされてきました。
普通のサービス業であれば、
「又のご利用をお待ちしております。」とか
「是非又お越しください。」とか言えるのでしょうが、
私達の場合、法的トラブルを抱えた皆さんが依頼者ですから
まるで「また法的トラブルを抱え込んでね。」と言っているみたいで
普通のサービス業の皆さんのようなわけにはいきません。
弁護士と同じようにトラブルを抱えている皆さんと関わっている職業としては
お医者さんなんかがそうなのですが、
弁護士が「お大事に。」等と言うのもなにか違う気がしてしまいます。
結局、「なにかあったらまた頼みますよ。」などと言ってくださる依頼者さんに
「いやぁ、弁護士の世話になんかならないのがいちばんですよ。」
みたいなことを言って終わることがほとんどでした。
最近、こんな私の物言いが、依頼者の皆さんに
「そうか、あまり弁護士の世話になるものでは無いのか。やっぱり、よっぽどのことでない限り弁護士に関わるものじゃないんだな。」
などと、弁護士の敷居を高く感じさせる原因になっているのではないかと、
反省させられる機会がありました。
もちろん、私としては、敷居を高くしようなどという気持ちはないのですが、
言われた側が弁護と接触しづらくなる様な言い方は、
なるべく避けるべきだと感じています。
で、最近は、
「気になることとか、不安なことなんかがあったら、電話ででもいいから連絡してくださいね。」
と言うようになりました。
弁護士は、結局のところ、
皆さんに法的な知識や考え方を提供するサービス業なのですから、
サービスを提供させてもらえる機会をわざわざ減らすような言い方をする必要は無いし、
サービスの提供を受ける側が躊躇するようになるような言い方をする必要もないのかなぁと思っているのです。
そうやって、少しでも弁護士を身近に感じていただいて、
弁護士が、お医者さんと同じようにというのは無理でも、
皆さんの生活の中に普通に入り込むようになり、
弁護士というものについて皆さんに興味を持ってもらえるようにならなければいけないと思っています。
皆さんにとって、弁護士の敷居は高いですか?