2014年6月13日 (金)

破産管財人

弁護士は、法人等の破産手続きに関し、裁判所から選任を受けて、破産管財人に就職することがあります。

 

破産管財人の業務は多岐にわたりますが、破産者の財産を把握し、その価値を適切に評価したうえ、価値あるものについては適正な価格で売却して、債権者への配当に備える、換価業務も中心的業務のひとつといえます。

 

先日、私が破産管財人を務めている件の換価業務の一環で、破産会社の事務所・工場へ赴きました。

 

売却を予定している機械類の査定を業者さんに行ってもらうためです。

 

ひとたび破産手続きが始まれば、破産会社の財産を管理・処分する権利は破産管財人に移転しますから、破産会社の事務所・工場の鍵も私が引き継いで管理しています。

 

破産管財人に選任されなければ赴くこともなかったであろう、今まで縁もゆかりもなかった他人様の会社です。

 

その敷地・建物に自分で鍵を開けて立ち入る際、特に重い鉄製の門扉をゴロゴロやっている時や慣れないシャッターの開け閉めをしているときなど、未だに不思議な感覚に襲われます。

 

事務所・工場の現況は案件ごとに様々ですが、従業員さんに解雇を伝えたその日その時のままであろう状態でそっくり残されていることもあります。

 

先日の訪問の際もそうでした。

 

今でもそこに従業員さんがいて仕事に追われている姿がある方が自然なような、今にも機械が動き出しそうな錯覚に襲われるのですが、数か月前のままのカレンダーや予定表が現実に引き戻します。

 

会社の歴史や従業員さんたちの営みの痕跡が確かにそこに残されていることに、破産管財人業務が多くの利害関係者の人生の交点のうえにあることを改めて感じました。

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