2010年6月9日 (水)

けむしもどき

 先日の晴れた昼下がり。
 いつものように、事務所のデスクのパソコンに向かい、せっせと起案をしていましたが、頭のつむじ辺りで、何かがうごめきました!
 慌てて手でつむじ辺りを払ってみると、デスクの上に、ぽとり、と変な虫が。
 灰色の体に黄色のブチのような模様が付いた、ゲジゲジの・・・お世辞にも可愛いとは言い難い、そう、毛虫のような・・・。
 私は、もともと、山育ちで虫には慣れているのですが(蝉はだめ!)、不意の出来事に心臓が止まりそうになり、「ひやあ!!!」と絶叫しかけました。が、0.2秒程の間に、叫んで事務所で大騒ぎになったあげく、仕事してるんか!!と先輩から大目玉を食らっても嫌だし・・・と判断し、思わず出そうになった絶叫を飲み込みました。
 私は、毛虫もどきの処理に困りましたが、殺してしまうのも何だか後味が悪いし、可哀想なので、ティッシュでそっとつまみ、事務所の窓から逃がしてあげました。
 

 数日後、この毛虫もどきの正体が判明しました。
 

 昼休みに食事に出た際、事務所への帰り道に近所の公園を通りかかったところ、藤棚の柱に黒くて丸い物が引っ付いているのが目に留まりました。
 よく見ると、それはテントウ虫でした。しかも、そのテントウ虫は、うんしょ、うんしょという感じで、ひとつひとつ丁寧に卵を産んでいました。
 私は、久しぶりに、何か、宝物を見つけたような感覚になり、嬉々として事務所に帰りました。誰かに話したい、でも、幼稚ぶりを小馬鹿にされるのも恥ずかしい、という変なジレンマに襲われ、結局、誰にも話をしませんでした。
 その日、帰宅後も、テントウ虫のことが頭から離れず、インターネットでテントウ虫の卵の孵化時期を調べてみました。すると、テントウ虫観察ブログの画像に、例の毛虫もどきが写っているではありませんか!
 そう、お気づきのとおり、毛虫もどきは、テントウ虫の幼虫だったのです。そのとき、私は、頭に毛虫もどきが乗っていた日、昼休みに公園の中を通ったことを思い出しました。
 あのとき、毛虫もどきを殺さなくて、良かったと心底思いました。


 あの毛虫もどきが、立派なテントウ虫になっていることを祈っています。

返信

このフィールドの内容は非公開にされ、公表されることはありません。
  • ウェブページアドレスとメールアドレスは、自動的にハイパーリンクに変換されます。
  • 使用できるHTMLタグ: <a> <em> <strong> <cite> <code> <ul> <ol> <li> <dl> <dt> <dd> <span> <p> <br> <img> <iframe> <object>
  • 行と段落は自動的に折り返されます。

書式オプションに関するより詳しい情報...

CAPTCHA
自動入力による荒らしやスパムを防止するための質問です。
イメージ CAPTCHA
画像に表示されている文字を入力して下さい。

コメントは事務局による承認の後に掲載されます。

最近のコメント

«  
  »
 
1
 
2
 
3
 
4
 
5
 
6
 
7
 
8
 
9
 
10
 
11
 
12
 
13
 
14
 
15
 
16
 
17
 
18
 
19
 
20
 
21
 
22
 
23
 
24
 
25
 
26
 
27
 
28
 
29
 
30
 
 
 
 
 

アーカイヴ

リンク

大阪弁護士会 総合法律相談センター
rss2.gif