東京都青少年健全育成条例
青少年というのは,不健全な情報から隔離すれば,健全に育成されるものなのだろうか。
恥ずかしいのを承知で言わせて貰えば,
僕はエロ本なんか小学生のころから読んでいた。
・・・だからお前は健全に育成されなかったのだと言われると立つ瀬がないが,
多くの人が青少年のころにエロ本くらい読む。
逆に,青少年のころに全くそういう情報に触れなかった場合にどのような大人になるのだろうか。
そういう事例に出会ったことがないので分からない。
強姦を取り扱った漫画を読むと,将来強姦魔になる確立が高くなるのだろうか。
たしかに,強姦魔はその趣味嗜好から強姦を取り扱った漫画を好む傾向にあるかもしれない。
しかし,それは野球が好きな人が野球漫画を好む傾向にあるのと同じことだ。
今回の条例の問題点は,お上が何が健全で何が不健全かを判断する点にある。
漫画に描いてあるからといって,強姦が悪いことであることは,
小学生でもわかる。
その漫画を読むべきかどうかは,その子自身が決めればよいし,その子を育てる親が決めればいい。
お上が「これは読んでも良い」「これは読んではダメだ」と決める世の中など,気持ちが悪い。
とある御仁は「傑作であれば,条例なんて関係ない」と発言したそうだが,傑作かどうかは読み手が決めることで,お上が決めることじゃあない。
ただでさえ生きにくい世の中で,
漫画やアニメくらい好きに見させてほしい。
僕たちの自由は,最初からあったものではなく,
先人たちが獲得してきたもの。
獲得するのは大変なのに,
失うときはあっという間なのだ。
たかが漫画・アニメと言わず,
自由といものの本質的な意味を見つめ直さなければならない。