2011年3月17日 (木)

最後の投稿にあたって

定期的な担当としては、今回が最後の投稿となります。

 

本当は、私の弁護士としての師匠が、別の道に転向されることになったお話しを書くつもりだったのですが、やはり今回の震災をふまえて何か書くべきではないか、という思いに至りました。

 

私は、阪神淡路大震災の時には、横浜に住んでおりました。

当時、兵庫に住んでいた祖母が被災し、一時的に横浜に居住するということはありましたが、私自身が震災を間近に体験することはありませんでした。

 

そして、今回の大震災。

私は、なぜか大阪に住んでおり、やはり被災を免れています。

それを「運が良い」などという言葉で片付けてしまうには、あまりに後ろめたいほど、悲惨な状況が報道されています。

 

そのような中、一つ思い出したことがあります。

阪神淡路大震災の2か月後、東京では「地下鉄サリン事件」が発生しました。

自然災害ではなく、人為的な重大犯罪であり、真相究明が必要だったこともあって、少なくとも関東のマスコミ報道は「地下鉄サリン」一色になり、阪神淡路大震災に関する報道は全くと言っていいほど聞かれなくなりました。

その状況を、当時、横浜に避難していた祖母が悲しそうに嘆いていました。

当時、今以上に若輩だった私は、「仕方ないだろう。マスコミなんて、そんなものだ。」と祖母の嘆きに共感できず、そんなやりとりがあったことすら忘れていました。

それが、何となく、ふと思い出されたのです。

 

そういえば、先日のニュージーランド大地震の報道も減ってしまった気がします。

クライストチャーチは11年前、新婚旅行で訪れたこともあって、個人的な思い入れがあり、倒壊した建物の映像をみて、妻とともにショックを受けました。

昨日も新たな日本人被害者の身元が判明したようで、亡くなられた日本人は22名となったそうですが、マスコミの取り上げ方はそれほど大きくないようです。 

ご遺族の悲しみを思うと、16年前の祖母の嘆きが今になってわかるような、そんな気がしています。

 

1年間の担当を締めくくるには、悲しい話題になってしまいました。

これまで私の記事を読んでいただいた方、コメントまでくださった方に、心から感謝いたします。

 

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