2012年6月7日 (木)

全員遺言時代間近に!

 

昨日,日経新聞を読んでいたら,

「全員遺言時代間近に」

という記事を見つけました。

 

記事を要約すると,財産が少ないと考えている一般家庭であっても,自宅不動産の帰属や処分をめぐって相続人間で争われることが多く,相続ではなく「争続」になるケースが比較的あるので,財産が少ないと思っていても遺言を残しましょうという内容です。

 

先日,遺言相続法律相談を担当した際に自宅不動産をめぐる相談を受けましたので,このようなケースが比較的あるというのは正しいのではないかと思います。

 

この記事に記載されていますように,相続人間の「争続」を防ぐためには,遺言を残すのがよいですが,遺言には厳格な要件が課されており,一般の方からすればそれぐらい大目にみてよ!と言いたくなるようなミスでも無効とされてしまいます(たとえば,自筆証書遺言の場合,パソコンでタイプした遺言は無効です。)。

また,遺言者の意思を十分に反映させた内容の遺言とするためには色々と法的な工夫も必要になります。

 

この記事の中にも記載されていますが,少し前に,エンディングノートというものが流行りましたが,一般的にはエンディングノートに記載しただけでは遺言の要件を充たしませんので,遺言としての効力は認められないと言われています。

 

他に遺言者がご自身で遺言書を作成する方法としては,遺言書キットを買って遺言書を作成するという方法がありますが,上記のように,遺言者の意思が十分に反映した内容とするためには色々と法的な工夫が必要になることもありますし,遺言書キットの説明書だけでは気づかない法的な問題点もありえますので,個人的にはお奨めしていません。

 

それ以外の方法ですと,信託銀行に依頼する方法(遺言信託と呼ばれる方法)や,弁護士に依頼する方法などがあります。

 

弁護士に頼めば高額な費用を請求されそうなイメージがありますが,自筆証書遺言の作成にあたってのサポートであれば,複雑な案件でない限り,10万円程度で受任する弁護士が多いと思われますので,(決して安いとは言いませんが)むちゃくちゃ高い!というほどの金額でもないと思われます。

 

大阪弁護士会では,遺言相続法律相談など遺言・相続に関する専門的な知識を備えた弁護士の法律相談が受けられる場を設けていますので,ご興味のある方は是非大阪弁護士会まで御連絡を!

いざとなると

遺言は取り掛かるまでが大変な気がします。
漠然としたイメージが、弁護士への相談をきっかけに、はっきりとしたものになればいいですね!

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