弁護士とソーシャルメディア
最近,世間では「ソーシャルメディア」というものが流行っていますが,みなさんはそれが何なのか説明できますか?
ちなみに,ウィキペディアによれば「ソーシャルメディアは、誰もが参加できるスケーラブルな情報発信技術を用いて、社会的インタラクションを通じて広がっていくように設計されたメディアである。」そうです。…何のことかサッパリ分かりませんね(笑)
私個人は,facebookとtwitterという2つのソーシャルメディアを日常的に使っているので,この2つを例にざっくり説明すると,どちらも,パソコンやスマートフォンから何らかの情報発信をする(例えば,「うちの近くにあるラーメン○○,美味しい!」とか。)と,自分とつながりのある人だけにその情報が伝わるという点で共通しています。
違うところは,(基本的に)facebookでは,つながりたい相手に「友達リクエスト」をして,相手が「承認」してくれてはじめてお互いの情報発信を受け取れるようになるのに対し,twitterでは,その人の情報発信を受け取りたい!と思う相手を勝手に「フォロー」しておけば,受け取れるようになるところです。あとは,ルールとして決まっているわけではありませんが,facebookは実名登録が原則,twitterは匿名が多いという点でも異なります。
では,弁護士は,このようなソーシャルメディアとどのように関わっているか(あるいは,これからどのように関わっていくか)というと,大きく分けて,①ユーザとしての関わりと,②事件を通じた関わりがあると思います。
①ユーザとしての関わりとしては,私は,主にtwitterで,学者や裁判官や弁護士が発信する,時事問題についての意見や,裁判例,法改正の動きなどの情報を日々刻々とチェックしています。論文や書籍が出るよりずっと早く,その道の専門家の考えを知ることができるので,とても役に立ちます。また,facebookで最近友達になった方から法律相談の依頼を受け,facebookのメッセージ機能を使って面談の約束をしたこともあります。このように,ソーシャルメディアは,弁護士に必要な勉強のためのツールとして,また,潜在的依頼者から気軽に連絡を取ってもらうためのツールとして,かなり重要な役割を(少なくとも私にとっては)果たすようになっています。
②事件を通じた関わりとしては,まだ数は多くありませんが,例えば,夫がfacebook上で友達としたやりとりから浮気がばれ,離婚事件に至った,というケースはすでに起こっています。また,アメリカでは,facebookに職場の上司や同僚の悪口を書き込んだ労働者が解雇されたというケースについて,労働行政機関の判断が多く示されていますので,日本でも今後同種の問題は起こってきそうです。さらに,facebookには様々なプライバシー情報がアップロードされているため,プライバシー侵害に関わる事件の発生も予想されます。
私の周りには,「自分はあえてソーシャルメディアに手を出さない」という弁護士も結構いるのですが,私は,無駄な抵抗はやめて早く始めた方がいいんじゃないか,と思っています。だって,昔,「自分はあえて携帯電話を持たない」って言っていた人で,今,携帯電話を持っていない人って,周りにいないですよね?
facebook
私はtwitterの使い方がよくわかりませんでしたが、
facebookの“つながるしくみ”にはとっつきやすかったです。
弁護士の情報発信も楽しみに見てます。
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