国税局に認めない理由求めよう

 

 

Q.叔父が社長をしている部品製造会社に税務調査が入りました。国税局の調査官は非常に威圧的な態度で、言い分をほとんど聞いてくれないそうです。

叔父の主張する経費が認められなければ、多額の追徴課税を払わないといけなくなります。従業員5人の零細企業なのですが、どうやって対抗すればよいのでしょうか。

 

 

A.税務調査は、納税者が適正な納税申告をしているか確認し、申告内容に誤りがあれば是正するために実施するものです。

叔父さんの会社のように、ある支出が必要経費として認められるかどうかで見解の相違が生じ、国税局と争いになるケースは多いと言えます。

 

もっとも、近年は税務調査における納税者の権利保護も重視されるようになりました。法改正で調査手続きが明確化され、国税局は申告内容の誤りを指摘する場合、納税者に理由を説明することが義務付けられたのです。その際は資料を示し、質問には分かりやすく回答するものとされています。

 

税務調査で申告漏れが見つかると、国税局は納税者に対して自主的に納税額を修正するよう求めてきます。これを「修正申告」と言い、修正後は不服申し立てができなくなるので注意が必要です。

修正申告に応じない場合には、国税局は強制的に納税額を変更することができ、これを「更正処分」と言います。重要なのは、更正処分は修正申告と異なり、国税局が証拠に基づいてその正当性を証明しなければならないということです。

 

そこで、叔父さんの会社のように必要経費かどうかを巡って争いがある場合、まずは国税局の方に経費として認めない理由を説明するよう求めましょう。

説明が不十分であれば、具体的な資料に墓ついて反論することが大事なポイントになります。弁護士などの専門家による意見書を提出することも有効です。

 

それでも国税局が強硬な場合は、修正申告には応じず、更正処分を待った上で、不服申し立てをして争っていくべきでしょう。いずれの見解が正当であるかは、最終的には裁判によって決着が付けられることになります。

 

〈回答・木村浩之弁護士(大阪弁護士会所属)〉

2013年9月28日 毎日新聞大阪版朝刊掲載

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