そもそも「きれいにみせたい」という理由で画像を改変し、それ

そもそも「きれいにみせたい」という理由で画像を改変し、それについて論文で注記すらしなかったという事実は、それ自体科学者としての資質を疑われる行為です。
それこそ、全く意味のないと思った部分をカットしたと思っていたにもかかわらず、他の見解によればカットされた部分がデータに差異をもたらすものであるという、「意見の相違」によるものでない限り、研究者としてあってはならない行為です。しかし、本件においては、マーカーの位置が異なる二つの画像について、論文執筆者が倍率を変えるという加工をして一つの画像にしたのですから、この作業に恣意が入りうることは否定できません。
他の所謂「捏造」行為についても同様です。そもそも出所を自身が正確におえないデータを出すという行為は、基礎のないデータを提出したことになります(D論ないし発表資料からカットする前の、撮影した写真そのものの出所こそ、問題となるはずです)。
かかる行為がなされた以上、「やってはいけないと知らなかった」との謂いは、単に科学コミュニティ内の法を知らなかったということに過ぎず、その行為の科学的危険性について、科学者を称する行為者自身で考え、当然に避けるべきことなので、行為そのものの認識がある以上、「不正」とされるのです。
理研の報告書では、「悪意」の認定において、行為の危険性の認識があったかについて触れられています。その思考過程は、行為の認識があれば特段の事情のない限り、行為の危険性の認識もあるという、ごく常識的なものであると思われます。
一方、仮に「やってはいけないと知らなかった」ということを強調することは、行為者が行為の危険性を科学的に考える能力が欠けていた、と主張することになります。
「やってはいけないと知らなかった」と主張することそのものが、不正行為を認定をされた行為者の、科学者としての資質に疑問を抱かせることになるのではないでしょうか。

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