下にあるkizさんのコメントで正しいのですが、補足させてもらいます。「理研の研究不正に関する内部規定」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/02/dl/s0201-5h.pdf)による不正行為の定義は米国連邦科学技術政策局が設定したものに準ずるとあり、後者の要旨は例えば米国NIHのホームページで見られます。http://grants.nih.gov/grants/research_integrity/research_misconduct.htm
理研が不正行為の定義を米国の規定に準ずるとするのは、科学活動が国境を越える行為であることの反映です。ただしその過程で理研は英語の'honest error"という語句を「悪意のない間違い」と訳しました。これは完全な誤訳とは言いませんが、100%正しい訳ではない。これは直訳がなかなかできない語句ですが、敢えて日本語に訳すならば、「意図的でない間違い」か。
例えば、結果を見やすくしたい、などの目的でデータに手を加えた場合は、善意悪意は問わずにhonest errorではなく、れっきとした改ざん捏造なのです。小保方氏にはTissue Engineeringの論文で指摘されている、複数に及ぶDNAバンドの反転切り貼りの疑惑も指摘されており、こちらもhonest errorではありえない。さらに、博士論文のデータとしてコスモバイオのサンプル写真を盗用した疑惑もある。
驚くのは、改ざん盗用をここまで常套的にやっていたということ。さすがにコスモバイオやTEの論文の行為は不正と知っていたと思うが、ネーチャーのゲルのレーン切り貼りは不正行為と知らなかったと理研に弁明したらしい。もしそうならば、(あってはいけないことだが)研究者教育に著しく恵まれなかったのだろうか。まあ、世の中には飲酒運転が不法行為と知らなかったと言う者もいるだろう。だからと言ってその行為が不正でなくなるわけではない。
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下にあるkizさんのコメントで正しいのですが、補足させても
下にあるkizさんのコメントで正しいのですが、補足させてもらいます。「理研の研究不正に関する内部規定」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/02/dl/s0201-5h.pdf)による不正行為の定義は米国連邦科学技術政策局が設定したものに準ずるとあり、後者の要旨は例えば米国NIHのホームページで見られます。http://grants.nih.gov/grants/research_integrity/research_misconduct.htm
理研が不正行為の定義を米国の規定に準ずるとするのは、科学活動が国境を越える行為であることの反映です。ただしその過程で理研は英語の'honest error"という語句を「悪意のない間違い」と訳しました。これは完全な誤訳とは言いませんが、100%正しい訳ではない。これは直訳がなかなかできない語句ですが、敢えて日本語に訳すならば、「意図的でない間違い」か。
例えば、結果を見やすくしたい、などの目的でデータに手を加えた場合は、善意悪意は問わずにhonest errorではなく、れっきとした改ざん捏造なのです。小保方氏にはTissue Engineeringの論文で指摘されている、複数に及ぶDNAバンドの反転切り貼りの疑惑も指摘されており、こちらもhonest errorではありえない。さらに、博士論文のデータとしてコスモバイオのサンプル写真を盗用した疑惑もある。
驚くのは、改ざん盗用をここまで常套的にやっていたということ。さすがにコスモバイオやTEの論文の行為は不正と知っていたと思うが、ネーチャーのゲルのレーン切り貼りは不正行為と知らなかったと理研に弁明したらしい。もしそうならば、(あってはいけないことだが)研究者教育に著しく恵まれなかったのだろうか。まあ、世の中には飲酒運転が不法行為と知らなかったと言う者もいるだろう。だからと言ってその行為が不正でなくなるわけではない。