大阪府との災害時協定書の調印
東日本大震災から5年余りが経過しました。今年になって4月に熊本地方で震度7の地震が発生し、6月にも函館に震度6弱の地震が立て続けに発生し、大きな被害をもたらしておりますことは皆様の記憶に新しいのではないでしょうか。
大阪弁護士会の災害復興支援委員会は、熊本地震の被災者に対しても日弁連の災害対策本部と協力しながら5月13日から電話による無料相談を実施しております。すでに、6月24日現在で、東京・福岡を含む全国で4564件、大阪弁護士会でも387件の相談が寄せられています。
この大阪でも南海トラフによる大地震のみならず、大きな被害が想定されている上町断層等による内陸型地震も想定されており、そのような大災害が発生した場合、大阪府内各地に避難所が設けられ、多くの避難者に対して、速やかに、必要な行政的な情報提供、法的助言を行う必要が生じます。それに備えるために、大阪府との間で、災害時の相談業務に関する協定書の締結をしました。堺市に次いでの締結になります。
本年6月27日、大阪府庁本館正庁の間において、大阪弁護士会からは山口健一会長、青木佳史副会長、江口陽三委員長と当職が、大阪府からは植田浩副知事、岩田教之総務部長、松下祥子総務課長の出席のもと、無事、調印式が執り行われました。
これまでの、熊本地震での電話相談の経験や、さらには阪神淡路大震災の経験からも、都市型地震による相談を経験している大阪弁護士会の役割は大きなものがあります。災害が発生した時には、大阪府下の各自治体との調整の上、各市役所や保健センター、避難所等に相談場所を用意し、そこに出かけていっての法律相談が求められます。
この協定を締結することにより、そのための事前準備を、各関係機関と定期的に懇談するなどして着実に進めていくつもりです。
災害のないことを祈りつつ、非常時の皆さまのご協力をお願いいたします。
災害復興支援委員会副委員長 木 口 充