2019年1月8日 (火)

感染症診査協議会について

 

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

 

私は,大阪弁護士会の人権擁護委員会医療部会に所属している関係で,自治体の感染症診査協議会の委員をさせて頂いています。ここでは,1類から3類の感染症について医師から発生報告を受け,当該患者に対する就業制限,入院勧告又は入院延長の是非等について協議しています。1類から3類の感染症には,エボラ出血熱,ペスト,SARS,MERS,赤痢,腸管出血性大腸菌等様々ありますが,届出が最も多いのが結核です。そこで,結核について紹介します(年始から病気の話ですみません)。

 

結核というと,昭和20年代は日本において最も多い死因であり「死の病」として恐れられていました。しかし,その後に適切な治療法が開発され,近年では,たまに集団感染のニュースに触れる程度の「珍しい病気」という印象ではないでしょうか。もっとも,結核罹患率は,今でも全国平均で人口10万人あたり13人強であり,特に大阪府では人口10万人あたり21人程度であって,日本は未だに世界の中では「中まん延国」と位置づけられています。そして,年間で約1,800人が命を落としている重大な感染症です。

 

結核菌は,人が「咳」をすることで空気中に撒き散らされ,近くにいる人が吸い込むことによって感染します(WHOの「航空機旅行における結核対策ガイドライン」では,航空機内に8時間以上同乗していた場合に感染リスク増大の可能性ありとされています)。ただ,結核菌は紫外線に弱いため,屋外では感染しにくく,また,食器などの物を介して感染することもありません。

また,結核に感染(保菌)したからといって,必ず発病するわけではありません。結核菌が体内で増殖し,人の免疫機能に勝った場合に発病することがあります(一般に発病は10%程度とされています)。乳児や高齢者等の免疫機能が低下した人が発病しやすいといえます。そして,症状が進むと、せきや痰と共に菌が空気中に吐き出される(排菌)ようになります(排菌状態でなければ感染の心配はありません)。

治療に関して,今は薬が開発され,きちんと薬を飲めば治ることが多いようです。ただ,途中で薬をやめてしまうと、結核菌が薬に対して抵抗力を持ち,薬の効かない菌となる危険があります。ですので,最後まで薬を飲み続けることが重要です。

 

感染症診査協議会では,いくつかの検査方法に基づき排菌状態を確認のうえ,患者自身の回復及び他者への感染防止のため,入院勧告等の是非を判断します。

こんな仕事もしております。

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