2019年8月9日 (金)

高校野球の優勝投手

 高校野球の歴史が好きな高橋からの出題です。名球会会員のうち,夏の高校野球の優勝投手をあげてください。

 

 今年も49の出場校が頂点を目指して頑張っています。優勝校のエースとなると,頂点の中の頂点です。ただ,そこに立ったのに,プロでは投手としてあまり活躍できない例も多いようです。

 

名球会加入資格は,投手なら200勝以上,野手なら2000本安打以上で,昭和生まれです。投手では,退会した金田正一(以下,敬称略)・堀内恒夫を入れても18人しかいません。

 

答えの前に,150~199勝のレンジを見ますと,桑田真澄(昭和58・60年),大正生まれの真田重蔵(昭和15年)の2人の優勝投手がいます。メジャーリーグの勝ち星を加えますと,松坂大輔(平成10年),田中将大(平成17年)という現役投手がここに加わります。30歳で170勝に達している田中は,200勝する可能性が大きいでしょう。

 

 冒頭のクイズは,「打者として柴田勲(昭和35年)がいるだけで,投手としてはいない」が正解です。春の選抜優勝投手では,平松政次(昭和40年),打者としての王貞治(昭和32年)がいます。大正生まれに広げると,戦争での中断がありながら実働12年間で237勝もあげた野口二郎(昭和12年夏・13年春)という怪物の例があります。極端な大投手ばかりを見ている感はありますが,通算勝星数100位(115勝以上)まで目を広げても,実はここまでに名前を挙げた以外には夏の優勝投手はいません。最近の優勝投手にも,プロで伸び悩んでいる例は少なくありません。

 

 野手としての才能を生かして活躍している選手も多くいます。高校野球とプロとでは投手としての才能は違うとか,そこまですごい投手がいなくても優勝できるとかいうことも事実と思います。ただ,多投・連投によって才能がある投手が潰れているのではないかということは一層考えていく必要があると思います。

 

 現在巨人でコーチをしている水野雄仁(昭和58年春)は,どこかで,1つ上の学年に畠山準さん(昭和57年夏)がいる池田高校でよかった,1年からフル回転している早実の荒木大輔さんを気の毒に思った,と話していました。桑田と話したけれど高校時代はそんなに全力投球しなかったという話で一致した,とも書いていました。特別な能力がある選手たちだから言えることでしょうが。

 

 駒大苫小牧の香田監督は,田中が1年のとき,彼をベンチにも入れず,3年生投手3人で初の全国制覇を達成しました。2年の優勝時は,他の2人の3年生投手と併用しています。3年の準優勝時は,2番手の投手との差が大きかったのですが,それでも大会の終盤でも,田中を休ませようと努力していました。才能がある投手を預かる監督は大変だろうな,と思います。

 

 大会も,休養日,延長戦の短縮など,選手の体調に配慮をした工夫をするようになってはいます。延長25回,延長18回引き分け再試合といった名勝負の話は私も大好きですが,選手の体調や将来を考えた場合,名勝負を見たいという私たちの欲求は後ろに引くべきと思っています。選手,監督,運営のそれぞれが,選手それぞれの将来を潰さないことを一層考えるべきと思います。

 

 大船渡高校の佐々木投手を甲子園で見ることができなかったのはとても残念でした。しかし,地方大会決勝でのチーム(「監督」ではなく,あえて「チーム」と書きます)の決断を,彼を見たい,報道したいという欲求から責めているのではないかと思われる論があるのは残念です。

 

私は,これからの佐々木投手を楽しみにしたいと思います。

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