クロージングトーク
今年最初にブログを投稿して2ヶ月が経ちました。
3年前、初めてこのブログを担当したときに、「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」というタイトルで記事を書きましたが、年々そのスピードは速くなっているような気がします。
さて、私はいわゆる「街弁」で、離婚、遺産分割、交通事故といった日常生活に生じるトラブルの解決を法的に支援するのが主な仕事です。
日常生活で生じるトラブルは感情面への配慮が欠かせませんが、感情面への配慮をしつつ当事者間で(全面的にとまでは言わないとしても)納得のいく解決ができたときは、大変嬉しいです。
そして、依頼いただいた案件が終了すると、当然終了にあたってのご挨拶(クロージングトーク)をするわけですが、これがなんて言ったらいいのか悩みます。
弁護士になってからしばらくは「何かあったらいつでもきてください」と言っていました。
ただあるとき、なんとなくその方がトラブルに巻き込まれるニュアンスがあるような気がして、言葉足らずじゃないかと思うようになりました。
考えすぎと笑われるかもしれませんが。
それ以来、「この先、弁護士に依頼することがないことを祈ってます。」と付け加えるようにしています。
こう言うのがいいのか悪いのかはわかりませんが。
ここまで書いて何が言いたいかといえば、弁護士は言葉を使う職業なので、一言一句言葉に気を使っています。うまくいかないときももちろんあります。でも、間断なくどんな言葉を使うのがベストなのかを考え続けています。
それは言葉が人の幸せを守ることも与えることも生むこともできるし、人の幸せを奪いまた命も奪うことができるということを専門職として自覚しているからだと思います。
これからも言葉の持つ強さ、恐さを考えながら、仕事に取り組みたいと思います。
「言葉の中に、話し手の心の状態と人格と気質が見える」(プルタルコス)
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