2016年7月20日 (水)

責任の所在

弁護士の白﨑です。

 

さて、私は、法学部出身の弁護士です。

 

私は、ロースクールがなかった時代に、大学の法学部に在籍したものですが、当時は、法学部は、いわゆる「潰しがきく」ということで、文系の中でも、人気のある学部でした。

法曹を志さない人でも、法学部を志望する人が多かったのです。

 

先日、とある私立学校の大学進学先資料を見る機会があったのありました。もともと、理系志向が強くなっているのですが、文系に目を向けると、法学部は進学者の少なさに愕然としました。

 

文系の中では、経済学部や経営学部はたくさん目につくのですが、法学部はほとんどない。悲しいくらいです。

 

現在、司法試験を受験するには、ロースクールを卒業することが原則となっています。

 

そのロースクールの志願者はというと、右肩下がり。

 

ロースクールに進学するために、法学部を卒業することが条件となっているわけではないですが、法学や法曹に関する魅力が低下していることは確かなことでしょう。

 

司法制度改革の中でも、ロースクール制度ができました。

しかし、志願者数の激減という点に着目すれば、この制度が失敗であったことは明らかです。

 

数字だけで評価できないという反論もあるでしょうが、数字は客観的に評価できる重要な指標です。

 

政治の世界でも、企業の世界でも、どんな世界でも、新しいことにチャレンジすることは大切なことです。

 

でも、失敗した時には、撤退すること、総括すること、トップが責任をとることも重要です。そうでなければ、次のチャレンジに繋がらないからです。

 

では、司法制度改革については、失敗を総括したり、誰かが責任をとったりしたのでしょうか。

 

私は、それを知りません。

 

本当に不思議な世界です。

 

失敗を真摯に総括したり、責任の所在を明確にしない限りは、法学の人気回復は前途多難だと思います。

 

 

 

 

法曹志願者

法曹志願者の減少は、悲しい限りです。

魅力ある職業であることを伝えていくのも、私たち弁護士の役割の一つだと思います!

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