2011年7月4日 (月)
たまには まじめな話でも
弁護士(弁護人)の関わりが一般の方にわかるような形でメディアに報道されるような刑事事件は,
死刑や無期懲役が科せられるような重大事件か無罪判決の事件ですよね。
でも,実際のところ,重大事件でも無罪を争うのでもない事件が世の中にはた~くさんあります。
そういう事件を簡単に表現するためにあえて「普通の事件」と言うと,私が刑事弁護を担当するほとんどが普通の事件です。
罪を犯した事実に間違いがなければ,あとは被告人や少年の側から見て,
処分を決めるにあたり裁判所に考慮してもらいたい事情を説明し証明するのが裁判や審判での弁護士の仕事です。
私が普通の事件に弁護士として関わるとき,そういう一般的な仕事をする中で,
事件を起こした本人が,その罪や自分の生き方,考え方を後悔したり反省したりする気持ちがあると感じられる相手であれば,
私が担当するこの事件がその人が捕まる最後であって欲しいという思いで接しています。
特に少年の事件であれば,その気持ちはなおさら強くなります。
もちろん私は罪を犯した方を更生させるプロでも何でもありませんし,自分にそんな力があると思っている訳ではありません。
ただ,自分なりに相手と話をして,そのことが「もうこんなことはこれで最後にしよう」と
ご本人が思うきっかけの1つにでもなってくれればうれしいなという気持ちでいる,というだけです。
もちろん実際の効果は全くわかりませんし,とても間接的ではありますが,
そんな形の「社会正義の実現」もあるかなぁと思うのでした。
そうですね。
更生への期待は常に持ちますが、
思いが実現することは多くはないですよね。
かつて刑事事件を担当した方が、
ずいぶんたってから、
「今、どこそこで働いています。
あのときはありがとうございました」
なんて電話くださったりすると、大感激です。
それがまた仕事の支えになってると思います。
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