2010年7月6日 (火)

サイトウさんの取説

弁護士の齋藤優貴です。

さいとう・・・

何だか響きもぱっとしない、平凡な苗字です。

 

僕は日ごろから「齋藤」という画数の多い表記を用いていますが、高2の頃までは日常的に「斎藤」を使っていました。

 

「斎藤」から「齋藤」に変えたのは、高校の同じクラスにいたもうひとりのサイトウ君が僕よりも成績は下だったにもかかわらず日ごろから「齋藤」を使っていたことに対抗したという若気の至りと、大学入試やら何やらで戸籍上の正確な表記を使うべき機会も少なくなかったので、正確を期しておいて損はなかろうという判断によるものでした。

 

それからというもの、この画数の多さに苦労させられることもしばしばでしたが、今回は、そんなサイトウさんの(つまらない)悩みを通して、皆さんの業務や日常生活のお役にも立てればという実用的な(はずの)お話です。

 

ワープロソフトで「さいとう」と打ち込んで変換すると、「斎藤」「斉藤」「齊藤」「齋藤」など、様々な似ているような違うような漢字のサイトウが出てきます。

 

このうち、「斉藤」と「齊藤」、「斎藤」と「齋藤」がそれぞれペアになっています。

 

これらの関係は、常用漢字と旧字体の関係にありますので、敢えて簡易に常用漢字で表記してしまいたい場合には、それぞれ「斉藤」「斎藤」と書けばよいわけです。

 

ところで、僕の「齋藤」についても「斉藤」「齊藤」と書かれてしまうこともありますが、これはどうでしょうか?

 

「斉(齊)」は、「一斉」「斉一」など、多くの場合に「セイ」と発音し、「そろえる」「等しい」というような意味をもつ漢字です。

 

これに対して、「斎(齋)」は、「書斎」「斎宮」など、多くの場合に「サイ」と発音し、「物忌み」「神をまつる」というような意味をもつ漢字です。

 

そう。「斉(齊)」と「斎(齋)」は全くの別字なのです。

 

「齋藤」を「斉藤」と書いてしまうことは、「齋藤」を「後藤」や「遠藤」と書いているようなもので、たまたま漢字の形が少しばかり似通っているからといって本来は通用する話ではないのです。

 

「齋」という、上の真ん中に何だかアルファベットのYのようなものがつく、その右側も「氏」のようでいて「氏」ではない(左側の「刀」のシンメトリーになっています)ややこしい漢字を書くことまではお願いできませんが、せめて手書きの場合には「斎」にしてほしい、「斉」はやめてほしい、(「齊」となったのは上にばかり気が行って下がおろそかになったか・・・)というのが僕のささやかなプライドなのです。

 

ここまで書いてきて自分でも何をつまらないことを書いているのかと嫌になってきましたが、今後、サイトウさんとお付き合いされる場合には、そのご本人が使われている表記のサイトウで返すことを第一に、手書きの場合に簡略化される場合には「齊藤」を「斉藤」と「齋藤」を「斎藤」と書いていただければビジネスマナー的にも失礼はないのではないでしょうか。

 

ちなみに、前所属事務所の事務局さんにはわざわざ「齋藤」というややこしい漢字を覚えていただいて日常的に使っていただくことができました。

 

グラス・オランジュの歴代の事務局の皆さんにこの場をお借りして改めてお礼申し上げます(そして、せっかく覚えてくださったのに辞めてしまってごめんなさい)。

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