2010年12月11日 (土)

弁護士報酬

今年の6月に独立して以降、事務所での法律相談や、ご本人に代わって通知書などの文書を作成したりする機会も増えました。

 

自分の知識や経験を活かして、その場で端的に直接的にお役に立てる(はずの)貴重な機会です。

 

まとまった報酬をいただけるというものではありませんが、代理人としての継続的な活動とはまた違った魅力があります。

 

弁護士に依頼するというと、高額な着手金を支払って代理人として相手方との交渉や法廷活動を行ってもらうというイメージがあるかもしれませんが、それに限らず、法律相談はもちろんのこと、ご本人の代わりにご本人のお名前での内容証明郵便や訴状などの文書を作成することも弁護士の通常の業務の範囲内です。

 

そういった方法を活用すれば、例えば、相手方に請求する金額がそれほど大きくなくて、正式に弁護士に依頼すると費用倒れになるようなケースでも、法律相談と文書作成の組み合わせで、数万円の費用で弁護士を利用することも可能でしょう(もちろん事案の難易や複雑さによって増減があり得ます)。

 

内容証明郵便を送りたいけれどもどのように書けばいいかわからない、自分で訴訟や調停を起こすことにしたけれども訴状や調停申立書の書き方がわからない、相手との合意事項をきちんとした文書にまとめておきたい、自分で離婚調停を進めるけれども必要に応じて継続的にアドバイスがほしいといったときなどにも弁護士を活用することができます。

 

代理人を立てずにご本人で訴訟や調停を進められている方も多いと思いますが、だからといってそのすべてを自分一人で抱え込む必要はありません。

 

正式に代理人になってもらう場合よりも費用がかからずに弁護士の意見を聞いたり代わりに文書を作成してもらったりすることも可能だと思いますので、不安を感じられたらぜひ弁護士にご相談ください。

 

ところで、こういったご相談やご依頼に伴って、数千円や数万円の法律相談料、法律文書作成料をご相談者、ご依頼者からその場で頂戴する機会も増えました。

 

その場で現金の受け渡しをすることに慣れていないせいか、今の今までご相談者、ご依頼者のお財布に入っていたお金が、まだその生温かさ(?)も冷めやらぬうちに自分の財布に入る(比喩です、念のため)ことには、いつもなぜか抵抗を感じます。

 

「これだけは用意してきました」とご相談者から裸で渡されたシワくちゃのお札に何とも言えない重みとドラマ(?)を感じ、冷静に見られるようになるまでしばらく置いておいたこともあります(帳簿の管理はしています、念のため)。

 

とてもじゃありませんが「そのお金も入ったことだし今日は軽く飲みに行くか♪」という気にもなりません。

 

お渡しいただいた金額が本来ご請求させていただこうと思っていた金額より少なくても、ついついそのまま畏まって有り難く受け取ってしまいます。

 

事案に対応させていただいてしばらく経った後に銀行振込でお支払いいただくことも多い弁護士報酬ですが、法律相談や文書作成の機会にその場で直接にお受け渡しさせていただくと、重みのあるものであることを、また、自分の弁護士としての活動の対価として頂戴できているものであることを、改めて強く実感します。

 

自分の生活が他人の不幸やトラブルのうえに成り立っているという因果な商売であることを強く自覚させられるせいかもしれません。

 

そんな因果な仕事ではありますが、だからこそ、ご相談者やご依頼者に不幸やトラブルに囚われている時間から解き放たれて「自由」になる瞬間を迎えていただけるよう、前向きなお手伝いができればといつも心がけています。

新しいコメントの投稿

このフィールドの内容は非公開にされ、公表されることはありません。
  • ウェブページアドレスとメールアドレスは、自動的にハイパーリンクに変換されます。
  • 使用できるHTMLタグ: <a> <em> <strong> <cite> <code> <ul> <ol> <li> <dl> <dt> <dd> <span> <p> <br> <img> <iframe> <object>
  • 行と段落は自動的に折り返されます。

書式オプションに関するより詳しい情報...

CAPTCHA
自動入力による荒らしやスパムを防止するための質問です。
イメージ CAPTCHA
画像に表示されている文字を入力して下さい。

コメントは事務局による承認の後に掲載されます。

最近のコメント

«  
  »
 
1
 
2
 
3
 
4
 
5
 
6
 
7
 
8
 
9
 
10
 
11
 
12
 
13
 
14
 
15
 
16
 
17
 
18
 
19
 
20
 
21
 
22
 
23
 
24
 
25
 
26
 
27
 
28
 
29
 
30
 
 
 
 
 

アーカイヴ

リンク

大阪弁護士会 総合法律相談センター
rss2.gif