2010年4月27日 (火)

裁判員裁判

4月13日から16日まで、裁判員裁判事件の弁護人をやりました。

 

4月13日は、まず、朝9時前に裁判所に集合して、裁判員候補者者の中から裁判員6名と補充員2名を選ぶ手続がありました。


8人ずつのグループ面談と、事前調査票で個別面談が必要と判断された候補者の個別面談をして、まず、裁判所が辞退の申し出を認める稼働を判断し、そのあとで検察官と弁護人が、相互に不選任とする人を選び、残った人の中から抽選で裁判員6名と補充員2名が選ばれました。
偶然ですが、このとき裁判員に選ばれた人は、男性3名、女性3名、年齢層も若・中・高、各2名と、バランスのとれた構成になりました。

 

お昼休みを挟んで、午後から、検察官と弁護人が冒頭陳述という、どんな事件なのかを裁判所と裁判員に説明する手続をして、この日は、終了しました。

 

翌日、4月14日は、1日かけて、証拠調べをしました。
具体的には、検察官が被害者から聞取りをした調書をすべて読み上げたり、弁護人が被告人に、どういう事をしてしまったのか、なぜそんなことをしてしまったのか、反省しているのか、これからどうするのか、等について質問して、裁判員の皆さんに何があったのかを判断してもらうようにしました。
この日は、この手続で終りました。
終ったのは、午後4時すぎぐらいだったでしょうか。

 

 4月15日も朝から。検察官の論告・求刑があり、続いて、弁護人の弁論。
ちなみに、論告というのは、検察官が証拠調べの結果を踏まえて、
「被告人は、こんなに悪い人だ。」

と裁判員にアピールすることです。
弁護人は、この論告に対し、

「いや、被告人にも刑を軽くしてあげる理由がある。」

と裁判員にアピールするのが弁論になります。
最後に、被告人が自分の思っていることを言って、この日は終了しました。

時間にすると1時間ぐらいでした。

 

検察官と弁護人は、午前中で終りましたが、裁判員の皆さんは、この後、評議をされたはずです。
この評議の内容については、私達にもわかりません。
きっと色々な意見が出たのでしょう。
翌日、午後に判決の言渡しがあり、裁判が終りました。

 

ちなみに、判決は懲役9年。
検察官の求刑が10年だったので、私達弁護人からすると「重いなぁ。」と言うのが正直なところです。
ちなみに、裁判自体は4日間で終りましたが、この事件が起訴されたのは去年の8月です。ですから、4日間の裁判のために半年以上の時間をかけて準備をしてきたことになります。
被告人と打ち合わせをしたり、裁判所、検察官と打ち合わせをしたり、弁護士同士で打ち合わせをしたり。
今回の事件は、被告人も自分のやったことが悪いことだと認めていて、あまり争いになる問題はありませんでした。
それでも、逮捕されてから考えれば10か月ぐらいかかっています。裁判員の人たちも4日間拘束されたわけです。

 

弁護士も、少なくとも裁判の間は他の事件ができませんし、裁判が終ったら、裁判の間できなかった事件が次々にやってきて、とてもしんどい思いをすることになります。
できれば、もうやらずにすめばと思うのですが、すでに、つぎの裁判員裁判対象事件を受けていたりします。
年に1件受けるだけでも大変ですが、知合いの中には、5月だけで3件、裁判員裁判事件をやる人もいたりします。
  

とりあえず、もっともっと裁判員裁判事件をやってくれる弁護士が増えないか(いま、大阪弁護士会では3500人ぐらいいるうちの300人ぐらいが手を挙げています。)これからの若手に期待しています。

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