続き
前回の続きです。
すっかり寒くなってしまって,いまさら夏休みの話題?とも思わなくもないのですが,気を取り直していきます。
さて,スイス友人宅での夕飯時でのひとコマ。
食卓を囲んでいるのは,日本人女性4名に,スイス人男性1名(友達の夫)です。
そこで「不倫」の話になりました。
例えば,夫Aが女性Cと不貞行為をしたとします。
日本では,妻Bは,夫だけでなく,不貞行為の相手女性Cに対しても,
不法行為責任として慰謝料請求をすることができます。100万円から数百万円程度でしょうか。
こちらの国での相場はどれくらいだろう,と思って友達夫に尋ねてみました。
私 「慰謝料いくらとれるん?」
友達夫 「え?Cからお金とれるわけないやん!」
女4人 「え?!」
友達夫 「Cは全然悪くないやん。Bに悪いことをしたのはAやん。CはBにお金払う義務ないよ。責任をとるのはAです。スイスでは,Cにお金を払う義務なんて認められないね。」
(日本語が堪能です。)
女4人 「Cも悪いやろ!キーーーッ!」
その後しばらくの間,女4人VS男1人,ケンカ・・・ではなく議論が交わされました。
果たして,Cは,責任を問われるべきか否か。
友達夫いわく,AもBもCも成熟した大人であって,自分の考えに責任を持って行動できる,すべきであり,それぞれが,自由意思に基づいて考えて選択した結果です。
責任をとれる大人のAが自由な意思を持って自ら考えて選択した結果の責任を,Cがとるのは,全くもって不合理だろうというのです。
責任をとるべきはAであってCではないというのです。
(もちろん,詐欺的な背景はないという前提です。)
考えさせられました。
浮気した人,浮気された人,その相手の人,それぞれの家族,
どの立場にたつかで考え方も異なってくるかもしれません。
どれが正しくてどれが間違っているなどと、いまここでいえる問題ではありません。
ただ、例えば,さらにCがAの子を産んだ場合はどうでしょう。
CはAに対し,認知をしてもらって養育費を支払ってもらう権利を有しています。
では,Cは,その後、無事Aから養育費をもらって子どもを満足に育てているのでしょうか。
現実は,そうとはいいきれません。
Bからの慰謝料請求を避けるために,認知も養育費の請求もしないCも少なからずいるのです。
Bからの慰謝料請求は、Cにとって何よりも恐ろしいものです。
Cの自業自得かもしれません。
でも,生まれてくる子どもはどうでしょうか。
養育費がもらえなければ教育どころか,生活もままならないかもしれません。
割を食うのは子どもです。
Cは,親は,自分の行動の結果に対して責任を持てばいいのかもしれませんが,子どもにその責任を負わせるのは,違うような気がします。
他にも,養育費払わなかったらスイスでは逮捕されることもあるという話もありました。
逮捕!
国によって違うものですね。
他の国の人と話すと,いろんな発見があって本当に面白いです。
全二回にわたって、発見した違いのいくつかを簡単に書いてみました。
※なお,以上の話は、あくまでも,一個人の話に基づいたものにすぎず,その内容に責任はもてませんので,悪しからず,ご了承ください。
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