あす,裁判員経験者が語ります
最高裁判所がまとめた裁判員経験者アンケートに,こんなデータがあります。
Q 裁判員に選ばれる前の気持ち
「積極的にやってみたい」「やってみたい」…計33.1%
「あまりやりたくなかった」「やりたくなかった」…計52.9%
Q 裁判員として裁判に参加した感想
「非常によい経験と感じた」…55.9%
「よい経験と感じた」…40.2%
※ 最高裁裁判員制度ウェブサイト・裁判員等経験者に対するアンケート結果調査報告書(平成22年1~4月分)
http://www.saibanin.courts.go.jp/topics/pdf/09_12_05-10jissi_jyoukyou/h22_tyousa.pdf
裁判員裁判を経験する前と後で,どうしてこれほど評価が変わるのでしょう。
体験者のお話を聞いて,理由を探ってみませんか。
あす30日午後1時から,大阪弁護士会館(大阪市北区西天満1-12-5)で,法の日記念行事「経験者が語る~裁判員制度の1年~」(主催:大阪弁護士会 共催:日本弁護士連合会)が開かれます。
3人の裁判員経験者をお招きし,体験談を語っていただきます。
入場無料で事前申込も不要です。
裁判員の呼出状を心待ちにしている方も,「興味はあるけど,ちょっと…」という方も,「勘弁してよ」という方も,既に経験された方も,ぜひお越しください。
詳しくはこちら→http://www.osakaben.or.jp/web/event/2010/101030.php
…いきなりの宣伝,失礼しました。今日からブログメンバーに加わった水谷です。
「見て,聞いて分かる裁判」を合言葉に,裁判員裁判をもっと良い制度に変えていくための研究をしている大阪弁護士会の特別委員会・裁判員制度大阪本部で,事務局員を務めています。
最初の投稿日がシンポジウムの前日とは,これも巡り合わせでしょうか。
さて,弁護士登録2年目,登録期だけは若手の私ですが,裁判員裁判の弁護人を務めた経験もあります。
折に触れて思い出すのは,裁判員の方々が,法廷で話している被告人,検察官や私の顔や目をまっすぐ見て,話を聞いていたことです。
…そんなん当たり前やろってツッコまれる方も多いと思うんですが。
改めて振り返ると,刑事裁判の法廷では,「相手を見ながら話を聞く」「相手を見て話す」が,あんまり当たり前じゃありません,多分。
裁判官も,検察官も,そして弁護士も,書類が大好きです。
刑事裁判で使う証拠も,ほとんど書類です。少し複雑な事件になると,すぐに記録の厚みが数十センチになり,ファイルが2冊,3冊と増えていき,そのうち,どこに何がつづってあるか分からなくなります。
それほど大量の書類をどうするか。
証拠も主張も,法廷で朗読するのです。
ですから,どうしても,手に持った書類に目を落とし,うつむきがちになります。
裁判官も,審理中,話している人の目をずっと見ている方は,あまりおられません。
「それは信じられへんな」とか,「なるほどそういうことなんや」とか,そんな心の動きが目に表れて,被告人や私たちに伝わらないよう配慮されているのでしょうね。
ところが,私がかかわった裁判員裁判で,裁判員を務められた皆さんは,ごく自然に,話している人の顔や目をバシッと見ておられました。
時には食い入るように,時には目を潤ませながら,時には怒りに燃えた目で。
人の話を真剣に聞くって,そういうことですよね,と思いました。
それ以来,折に触れて,被告人や私の目をまっすぐ見ていた裁判員の皆さんの視線を思い返しています。
あすのシンポジウムでは,私がかかわった裁判の裁判員の方々と同じように,裁判員の責任を果たされた3人の経験者が,本音を語ってくださいます。
法壇の上から見た裁判員の目に映ったものが何だったか,是非確かめに来てください。
お待ちしています。
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