弁護士の仕事の一つに会社内で存在が指摘されたセクシャルハラスメントやパワーハラスメントについて、会社の依頼を受けて調査・報告をするという仕事があります。

 

当事者および関係者のヒアリング等を行って事実を特定し、法的に評価していくのですが、女性が被害者となっているセクシャルハラスメントの案件においては女性弁護士の出番が多くなりがちです。
 

最近、セクシャルハラスメントの加害者の男性にヒアリングを行ったのですが、その中で、「彼女から明確に嫌だと言われたことがなかったので喜んでいると思っていた。」という趣旨の発言がありました。
人の感情には、とても嫌>どちらかというと嫌>どちらでもない>どちらかというと嬉しい>嬉しい、というグラデーションがあると思うのですが、拒否されていない=喜んでいると処理する認知の歪みに思わず言葉を失ってしまいました。
 

こういう話をすると、「嫌と言わない方が悪いんだ。」という人がたまにいらっしゃいますが、そうではないと思っています。

2018年4月2日 (月)

国選弁護について思うこと

先月、弁護士になって初めて無罪判決を獲得しました。

 

ここだけ見るとよかったじゃないか!となるのですが、弁護人としては非常に不本意で、公訴事実3件全ての無罪を争っていた中、無罪になったのは1件だけ、2件については有罪とされ、しかも、実刑判決となってしまいました。

 

保釈中の被告人に実刑判決が下された場合、保釈はその効力を失いますので(刑訴法343条)、被告人は判決を受けたのち、バーの外に出ることなく、法定脇の小さな扉から拘置所に連れて行かれることになります。

荷物を取りに戻るなどそんな悠長なことはできませんので、保釈中の被告人で実刑が予測される場合には、事前に荷物をまとめてくるよう言うようにします。

 

このようにして被告人が再び勾留をされるに至ってしまった場合でなおかつ控訴する場合、身体拘束から解放されるためには再び保釈をする必要があるのですが、1審判決が出てから控訴審の国選弁護人が選任されるまでには1か月ほど時間が空いてしまうのです…!

これ、かわいそうじゃないですか?

 

2017年10月16日 (月)

成年被後見人の認知

成年後見人は成年被後見人の法定代理人ですが、一般的に婚姻、離婚、認知などの身分行為については代理人として行うことができないとされています。

 

では、認知の承諾はどうでしょうか。

 

民法は、「成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。」(782条)とされていて、成人した子を認知して親子関係を生じさせようとするには、認知される側の承諾が必要とされています。

 

問題は、この子が成年被後見人で、認知の承諾をする意思能力がない場合です。

 

これについては、身分行為だから後見人ではできないかと思いきや、後見人において代理することが可能とされています。新版注釈民法(23)の352ページにおいても、「認知者が不要・相続上の利益を目的としているかどうかを判定する必要性があり、後見人がこれを判定して承諾することができると考える。」と記載されています。

 

実務上も、認知届のその他欄に成年後見人が認知を承諾する旨を記載して後見人の印鑑を押印し、成年後見登記を添付すれば受理されているようです。

2017年3月29日 (水)

少年事件 その後。

頻繁に、ということではありませんが、少年事件を受任することがあります。保護観察で終わる子、少年院に行く子、様々ですが、一人だけ、少年院に行ってからも手紙のやりとりを続けている子がいます。

元々比較的しっかりとした子だったのですが、通数を重ねるごとに文章や考え方がしっかりしてきているのがはっきりと見て取れて、驚いています。

わずか2~3枚の便箋中にそれだけのことが感じられるのだから、きっと直に会って話をしたら、もっとあの子は大人になっているのだろうなぁ。

 

そんなこんなで、やっぱり可塑性ってあると思うのです。

 

厳罰化とかいろんな議論はありますが、個人的には子供の可能性や可塑性を信じた方向性に進めばいいなと思っています。

2016年10月20日 (木)

オーバーステイ

最近、オーバーステイで逮捕されてしまった方の接見に行くことがありました。

「不法滞在の外国人」というカテゴリーに日本人はすごく厳しい目を向けることが多くて、やれ退去だなんだとマスコミなんかも声を上げるわけですが、

今回私がお会いした方は、留学して、日本語を学んで、その後日本で就職もして働いて、都度ビザもきちんと更新して…と本当に本当に真面目に日本で暮らしてこられた方でした。

 

今回ほんの数週間のオーバーステイで逮捕され、勾留までされてしまったのです。しかもオーバーステイになった理由もとても気の毒な事情で。

 

今後は不起訴→入管または起訴→執行猶予→入管、という流れで近く本国に戻られることになるのだと思いますが、ごくごく軽微な違法状態があったからといってすぐに日本の中で一生懸命に仕事をして活躍していた人を追い出して、しかも今後何年間も日本には入らせません!!というのは何とも強権的な制度だなぁと残念な気持ちでなりません。(もちろん在留特別許可や仮放免の手続きなどはあるにはあるのですが。)

 

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