今回は、法改正とリアル社会の力関係について、著作権の保護期間延長問題から考えてみたいと思います。

 

そもそも、私は、著作権関係の仕事を多く扱っており、同保護期間延長に関し、賛否両方の考えを持っており、いろいろと感じていることはありますが、今回の動きについては、中身の問題ではなく、プロセスについて、色々と感じるところがあります。

 

昨今の報道機関による情報によりますと、TPP交渉の中で、著作権の保護期間(現在は死後50年間です)が70年間に延長される方向で進んでいるようです。

 

「著作権が期間満了で消滅した後に権利が復活することはない」というベルヌ条約の規定、映画の著作物が従前から70年であることからして、実務的には、保護期間延長によって、大影響が出るわけではないかと想定されます。

 

しかしながら、実務的影響という次元ではなく、今回の方向性については、民主主義の観点から少し疑問を感じております。

 

2014年12月16日 (火)

相続登記について

相続を原因として不動産の登記名義を変更する、これは一般的によく行われていることです。権利に関する登記を申請する場合には登記原因証明情報の提供が必要で(不動産登記法61条、不動産登記令7条1項5号ロ本文)、相続による権利の移転の場合には相続を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(不動産登記令別表の22)つまり、戸籍謄本等が必要になります。

 

かかる情報を提供させる趣旨は、①被相続人の死亡の事実の確認、②相続の登記の申請人が被相続人の相続人であることの確認、③他に相続人がいないことの確認、のためであるとされています。 戸籍が整備されている日本においては①~③の事実を簡単に証明できるのが通常ですが、ごくまれに戸籍が古すぎる、廃棄した、焼失した、関係人の中に日本国籍でない者がいるなどの事情により戸籍謄本や除籍謄本がそろわないことがあります。

 

林裕悟です。

みなさん,既に新聞報道等でご存知かもしれませんが,過労死等防止防止対策推進法(通称「過労死防止法」)が平成26年11月1日に施行されました。

今日は,この新しい法律について,少しだけお話しさせていただきます。

 

この過労死防止法,実は大阪の弁護士が言いだしっぺなんです。

大阪の過労死遺族とともに,大阪の数名の弁護士が業務の合間を縫って法案を起草しました。

このとき,自分たちが起草した法案が本当に法律として成立するとはだれ一人思っていませんでした。

ただ,いつまでたっても減らない過労死,新たに生み出される過労死遺族たちの苦しみと悲しみを目の当たりにして,居ても立っても居られない思いに駆られて,行動を起こさずにはいられませんでした。

 

歴史的に見ても,過労死問題について,大阪は先進的に取り組んできました。

まだ過労死という言葉すらない1981年に「大阪急性死等労災認定連絡会」を結成し,過労死についての組織的な取り組みをスタートしました。

1988年4月には全国に先駆けて「過労死110番」を開催しました。

2014年9月24日 (水)

作業報奨金の差押えの可否

 世の中には沢山の犯罪があります。同時に、大勢の被害者の方がおられます。そんな被害者が加害者に対して自分が受けた被害についての損害賠償をしようと思ったら。
 加害者がある程度のお金を持っていたり、働いていたりすれば、きちんと被害弁償を受けられることもあるでしょう。しかし、加害者が無一文で刑務所に収監されてしまった場合はどうでしょうか。泣き寝入りを強いられることがほとんどだと思います。もちろん、犯罪被害者給付金や被害回復給付金により一定程度の給付がなされる場合はありますが、全犯罪が対象になるわけではありません。私自身も、刑事弁護をしている中で被害弁償をせずに、あるいはできずに有罪判決を受けている人を何人も見てきました。

 しかし、被害者側としてはたまったもんじゃない!というのが正直なところだと思います。

2014年7月8日 (火)

著作者とは誰か?

先日、ある大学の「メディアと表象文化」論という授業に招かれて、
著作権法について少しお話をさせていただきました。
そこで、法律を離れて、著作物や著作権の意味を根本的に考える良い機会となりました。

TPPでも著作権保護期間をめぐって論争が繰り広げられ、
フェアユースといった著作権制限規定についても論じられており、
著作権のあり方そのものが問われる時代になっております。

著作権法には、著作物、著作者と概念が分かれており、著作者の権利も多岐にわたって規定されております。
著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法第2条第1項第1号)、著作者とは「著作物を創作する者」(著作権法第2条第1項第2号)と定義されております。

このように著作権法では、著作物と著作者が明確に定義されております。
しかしながら、何らかの表現物は、一人の人間が一人だけで生み出したものであるといえるのでしょうか。人は、様々な表現物に囲まれて社会生活を営み、その中で文化活動もしております。そして、様々な表現物に触発される形で、個々の表現物が生み出されております。
つまり、表現物は、決して一人の人間の手によってではなく、様々な過去からの表現物や社会を介して、ある人間の手によって創作されるという側面を有しております。

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