成年被後見人の選挙権回復 投票の誘導が心配-<法律のツボ>
投票の意思を確認し候補者情報提供を
Q.知的障害のある知人がいます。弁護士が成年後見人になっており、これまでは選挙権が失われていました。
4日公示された参院選から選挙権が回復すると聞きましたが、詳しく教えてもらえますか。
また、特定候補のみの情報を伝えられるなど投票を誘導するような不正は起きないのでしようか。
A.これまでの公職選挙法は、成年被後見人の選挙権を認めていませんでした。
しかし、東京地裁は今年3月14日、この公選法の規定は憲法に反し無効である、との判決を言い渡しました。
法教育最前線?!
先日、縁あって京都産業大学法学部のK准教授のゼミにお邪魔させていただきました。
1 斬新な授業スタイル
法学部の授業というと、先生の一方的な講義を学生がただ座って聞いているというイメージかあるかもしれません。あるいはロースクールのようなソクラティックメソッド(先生が質問し学生をあてて答えてもらう対話型授業)の授業風景を思い浮かべる方もいるかもしれません。特定の学生が発表して、先生が突っ込む、そして残りの学生はとりあえず出席点稼ぎのために黙って座っているというゼミを経験された方も多いかもしれません。
Kゼミは、そういった予想をいい意味で裏切ってくれます。古典から最先端まで幅広い学問内容を扱いながら、授業の運営スタイルが大変実験的です。いうなれば「皆でゲームをして楽しみながら学ぶ」というスタイルのゼミです。ゼミ生全員が参加してゼミを創り上げています。このようなゼミを可能にする手法は、例えば企業において「いかに社員全員のモチベーションを保ちながら業績をあげていくか?」というような組織の運営課題に対して大変参考になる取組みだろうと思われます。
サッカー談義
本日はサッカーの話題を。
連日、様々なニュースや雑誌でサッカーの話題が取り上げられています。
その中でも、日本代表の本田選手の移籍報道が過熱しているようです。
サッカーにあまり興味をお持ちでない方もいらっしゃると思いますので、少し説明しますと、本田選手は現在ロシアのチームに所属しています。そのチームとの契約が今冬までとされているため、契約が切れる冬までに移籍させなければチームに移籍金が入りません。そこで、今夏にでも移籍するのではないかということで、その去就に注目が集まっているのです。
ただ、これまでにも、本田選手はいろいろなチーム、しかも世界的に有名なビッグクラブへの移籍が報じられてきました。そして、その報道があまりにも多く、かつそれらがすべて空振りに終わったことから、いつしか「HONDAエア祭り」と呼ばれるようになりました。
サッカーファンは本田選手の移籍報道がある度に期待して盛り上がり、そしてがっかりする。このような一連の流れがまさに「祭り」たる所以なのです。
二束三文で貴金属の押し買い-業者規制と返還法は-<法律のツボ>
最寄りの消費生活センターへ
Q. 一人暮らしの母の自宅に業者が訪れ、貴金属を二束三文の値で無理やりに買い取られてしまいました。
こうした業者を規制する法律はないのですか。また、この買い取りを取り消すことはできるのでしょうか。
A.訪問業者が物品を無理やり買い取る被害は、「押し買い」と呼ばれています。
業者は一般的な買い取り価格よりもはるかに安い価格で、強引に買い取っていきます。2011年度には、消費生活センターに4000件を超える被言栢談が寄せられました。
被害者のほとんどは高齢者や女性で、被害品は金・プラチナなどの貴金属が圧倒的に多いです。
新築の自宅が欠陥住宅-業者に修理依頼しつつ損害請求も可能-<法律のツボ>
Q.自宅を新築してもらったのですが、雨漏りがするなど欠陥住宅でした。建築業者に対して、どのように補償を求めたらいいでしょうか。
A.今回は欠陥住宅であることが前提になっていますが、そもそも欠陥住宅かどうか問題となることが多いです。
雨漏りなどがあったとしても、例えば経年劣化が原因など、必ずしも業者の責任を追及できない場合もあるので注意してください。欠陥であるかどうか、1級建築士に調査してもらう必要があります。
では、雨漏りがもっぱら業者の手抜き工事が原因である場合、どのような補償を求めることができるのでしょうか。
まず、今回のケースのように請負契約を締結している場合、業者に対して修理を求めることができます。
また、その業者が信用ならないので他の業者に修理を頼んだ場合、その修理費用の請求もできます。