なぜ弁護士という仕事をしているかきかれると
私は、「他に出来ることがないからだ。」とか、
「でもしか弁護士と呼んでくれ。」等と答えることが多いです。
これは、何もふざけているわけでもなく、
私が弁護士になるまでの経緯からすれば、正にその通りだからなのですが、
周りの人には理解してもらえず、
「またナカイが受け狙いでなんか言ってる。」みたいな評価をされてしまうのは
実に不本意です。

まあ、実際、この仕事に魅力を感じたからこそ
「なりたい」と思ったのであり、
魅力を感じているからこそ続けているのだとは思います。

この、弁護士という仕事の「魅力」について最近考えさせられる話を聞きました。
法科大学院の定員割れの話とか、貸与制の返還猶予の話とかもありますが、
今回聞いたのはそれよりももっと直接的な話です。

それは、話自体は単純な話で、
ある人が二つの試験に受かり、
その内の一方ではなくもう一方を選んだと言うだけの話です。
ちなみに、私が聞いた話では、
その人が受かったのは司法試験と裁判所書記官試験だったそうです。
(このあたり、ちょっとあれ?っと思わされるのですが)
話の流れからおわかりいただけると思いますが、
この人が選んだのは司法試験合格、すなわち司法修習ではなく、
裁判所書記官だったとのことです。
これが、都市伝説の類ではなく本当の話かどうかは別として、
この話を聞いた多くの同業者が、「ああ、そうだろうね。」
と納得してしまいました。

ちなみに、先日、とあるテレビ番組で取り上げられていた修習生は、
「法科大学院で200万、修習で300万、合計500万の借金がある。」
といったことを話しておられました。
ちなみに、私は、一般サラリーマンの方の債務整理で、
債務総額が300万円を超えていたら、まず、自己破産をお勧めします。

経済性や収入だけがこの仕事の魅力ではないと思っていますが、
投下資本に対する回収可能性が低いとすれば、
そこの資本を投入するのがばかばかしいというのも納得は出来ます。

少なくとも、これから職業選択を考える人にとって、
弁護士という仕事が投下資本の回収可能性という観点からすれば
魅力のないものになっているのは間違いないのでしょう。

 

仕事の魅力など

公務員と比べると、事業者としての不安定さは否めませんが、それ自体は昔からあることのような気もします。
ただ、先行き不透明な中では、「安定性」が重視されてしまうのでしょうか。

 中井先生,こんにちは。某部活動の後輩です。長岡京・奈良で

 中井先生,こんにちは。某部活動の後輩です。長岡京・奈良ではお世話になりました。

 私も似たような道を選んでいるうえに,部活の仲間にも,同じように,司法試験に合格したものの他の道を選んだ人が複数いるため,話題の方の気持ちが分からないではありません。

 私の場合,弁護士の仕事に魅力を感じていますが,もう一方の仕事により大きな魅力を感じました。修習費用貸与制や生活の安定,弁護士の就職難などは,その魅力に比べれば取るに足らない問題でした。新65期司法修習生をみていても,必ずしもこれらについて深刻に考えているように思えません。先生の仰るとおり,経済性や収入,投下資本の回収という点のみで弁護士という仕事の魅力について論じるのは,いささか早計かと思います。修習費用貸与制や投下資本の回収が問題の1つであることは間違いないでしょうが,そこに目を奪われることで,他の問題や利点の見通しを悪くしているように思います(私は,某団体からアジ演説の打診を受けたとき,カネのために夢を諦めた悲劇の人のような扱われ方に,大なる怒りを覚えました)。

 私は,むしろ,司法試験合格者が弁護士以外の職種にも目を向けて,新しい可能性を開拓することは積極的に評価すべきだと思います(そもそも,司法制度改革の目的は,その点にもあったはずです。)。大げさに言えば,司法試験に合格できるだけの能力と素養のある人が弁護士にしかならないことは,社会的な損失ともいえるでしょうから。

 ですから,「弁護士に魅力がない」と悲観的に考えるのではなく,「司法試験合格者の活躍の場が広がっている」とみてはいかがでしょうか。「司法試験に合格した以上は“当然に弁護士になる(べきだ)”」というような発想は,当然ながら弁護士以外の仕事にも魅力は大いにある以上,それらの魅力を彼此勘案して他の道に進んだ人の実体に,必ずしも合致しないと思います。

今の不安定さは。

以前と比べて、
60期以降の連中が真剣に考えているのは、
5年後、10年後に弁護士でいてご飯が食べられるのだろうか
というレベルで、
以前の「不安定さ」とは比べものにならない気がします。

更に60期と64期、
貸与制になった65期以降とでは
意識、認識の差があるようにも思います。

公務員といえども
決して「安定」しているとは思えないですが、
まあ、「食べられなくなる」という心配はないでしょうから。

当然、「活躍の場が広がっている」のですが。

K.Mさん
お久しぶりです~。

もともと、司法制度改革の中では
弁護士以外の職域へ進出していくことが予定されていたので
当たり前の現象なんでしょうけど、
「古い」タイプの人間からすると、
なんとなく寂しくなってくるのも事実です。

しかも、今回の場合は「司法試験合格」は無関係な方向へ行ってはるし。

そこら辺からすると、「司法試験合格者の活躍の場が広がった」
というのとはちょっと違うのかなぁと。

個人的には、
インハウスや任期付公務員、政策担当秘書などを含め、
弁護士以外にも魅力的な「司法試験合格者」が選べる仕事はあると思うんですよ。
ただ、今回の話は、そういう「司法試験合格者」が選べる仕事ではなく、
司法試験に合格しながら、
司法試験に合格しなくてもつける仕事を選んだというところに、
何とも言えない気持ちにさせられてしまうんですよね。

私が今の司法試験と裁判所事務官試験とを合格したら,裁判所事

私が今の司法試験と裁判所事務官試験とを合格したら,裁判所事務官を選ぶかもしれません。
特に,弁護士としての就活がうまくいっていない時に事務官として内定をいただけば,間違いなく事務官を選ぶでしょうね。
弁護士の仕事は増えていないのに(むしろ減っている?),人数だけが増えすぎです。
食べていけない仕事に興味が出るわけありません。
借金背負ってまでなろうとは思いません。
私の現状はというと,今は公務員より豊かだけど,数年後には公務員の方が豊かになりそうな感じです。

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