民事と刑事
少し前に,有名古物商がネット上に万引き犯の顔写真を公開するかしないかが話題になりました。
このとき,いろいろな人が,様々な意見を述べていました。
その中には弁護士もおられ,
当然のことながら「法的な責任の有無」についていろいろとお話しされていました。
その中には,「全く責任を負わない。損害賠償しなくてもいい。」という意見もあれば,「刑事責任が発生する。」という意見もあり,「弁護士が言うことなのに食い違いがあるのはなぜなのだろう?」と不思議に思われた方もおられたかもしれません。
これは,損害賠償というのが民事上の責任で,刑事上の責任は,罰金や懲役といった刑事罰の問題であり,その結論が必ずしも同じにはならないために生じる食い違いと言っていいかもしれません。
犯罪被害者支援
中井でございます。
法テラスや法曹人口の話をしようと思ったのですが,
なかなか簡単にはまとめられず,
とりあえず,自分がやっている委員会関係の紹介をさせていただきます。
私は,いろいろな委員会に入っているのですが,犯罪被害者支援委員会の副委員長もやっています。
犯罪被害者支援委員会は,犯罪被害に遭われた方に対して,
弁護士会としてどのような支援が出来るかを検討したり,
また,研修を通じて,犯罪被害者に対応できる弁護士の育成を行ったりしています。
その活動の一環で,最近,パンフレットを作りました。
刑事弁護人のあり方
例の事件で,担当していた刑事弁護人がいろいろ言われているようです。
その中で気になったのが「弁護士は,黒いものも白いという,非常識なやつだ。」というような論調です。
果たしてそうでしょうか?そもそもの刑事訴訟のシステムが理解されていないように思います。
まず,刑事裁判では,起訴をした検察官の側で,起訴した内容について,証明する義務があり,証明しきれないときは,無罪になります。
ですので,弁護人は,「白い」と主張する必要がありませんし,せいぜい「黒ではない疑いがある」という程度でかまわないのです。
では,弁護人が「黒だ」と思ったときはどうするべきなのでしょうか。
被告人が自分のやっていることを認めている場合は「黒」であることを前提に弁護活動を行っても問題がありません。
被告人が自分のやったことだと認めていない場合はどうでしょう?「黒ではない疑いがある」という主張もできないのでしょうか?
シンポジウムのご案内など
このブログを読んでくださっている皆さんは,
大阪弁護士会のホームページもご覧になったことがあるでしょう。
http://www.osakaben.or.jp/web/index/index.php
その真ん中あたりに,イベントのご案内があります。
中には,いろいろなものがあります。
クラシックコンサートのご案内(9月11日,12日)があったり,
子ども絵画展のご案内があったり(9月17日から)。
このあたりは,弁護士会が皆さんに弁護士会館へ足を運んでいただき,
弁護士会,弁護士というものに親近感を持っていただけるよう
企画されたものだと思います。
他には,法律相談のご案内なんかも載っています。
法律相談料
一日遅れの投稿です。
弁護士の業務の一つに,法律相談があります。
昔ながらの法律相談だと,弁護士に相談して,
30分で5000円程度の相談料をお支払いいただくことが多いようです。
法律相談で事件が解決したり,紛争がなくなったりすることは少ないのに有料なのは,
専門家として,その有する知識,経験に基づき,
法的なアドバイスをしたり,事案の整理,法的観点の指摘,
結論の見通しなどをすること自体が,
相談者にとって,何らかの利益になるだろうと考えているからだと思います。
利益があるのだから,対価が発生するだろうということでしょう。
ただ,弁護士の売上で考えると,
法律相談料というのはあまり大きなものではありません。
そのためか,最近では,法律相談無料をうたう事務所や法人が増えているようです。
法律相談を無料にすることで,少しでも多くの相談者を集め,
取り扱い事件数を増やし,着手金,報酬を増やそうという考えなのかもしれません。