大阪地検の証拠隠滅事件
連日報道される大阪地検の証拠隠滅事件と犯人隠避事件。
ひとつは,大阪地検の特捜部検事が,自分の描いた事件の構図と整合しない証拠であるフロッピーディスクの更新日時を,都合の良い日時に改ざんした疑いがあるという事件であり,もうひとつは,フロッピーディスクを改ざんしたとの報告を受けた上司の検事が,「故意(わざと)ではなく,過失(うっかり)で書換えてしまったことにしよう」と決めて,部下と口裏を合わせて,検事正(大阪地検のトップ)らに虚偽の報告をして事件担当の特捜部検事の逮捕を免れさせた疑いがあるという事件です。
この事件について弁護士である私はどのように感じるか。少し述べたいと思います。
表現の自由って?
向井です。
3度目の投稿です。
前回,映画ザ・コーヴについて,書かせていただきました。
この映画について,先ごろ,配給会社が,一部の劇場での上映を中止したと発表しました。
中止決定以外の劇場での上映が予定されているようですから,全面的な上映中止決定ではありませんが,ともかく数箇所について上映中止が決まったということのようです。
私は,上映中止を報じる記事の見出しを見た瞬間,正直申しまして,かなり嬉しい気持になりました。
しかし,直ぐに,「オヤ,これはおかしい」と思いました。
問題は,上映中止の理由です。
報道によれば,配給会社の代表の自宅前で抗議活動がなされており,劇場に対しても強い圧力がかかり,上映に踏み切った場合に生じる不測の事態を配給会社側が懸念したというのがその理由だとか。
太地町の「弁護人」
向井です。
2度目の投稿です。
米アカデミー賞のドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーヴ」。
日本のイルカ漁を隠し撮りし,それを「告発」する映画だそうです。
舞台は和歌山県太地町。
実は,私,その太地町の生まれです。
育ったのは「すさみ町」というもっと田舎の町ですが。
だから,このイルカ映画の話題を聞くと,物申したくなってしまいます。
太地町もすさみ町も,太平洋に面した漁師町です。
ほかにこれといった産業がなく,特に太地町は,鯨漁で地元の人が暮らしを維持してきた町だといえると思います。
さてこの映画。報道によりますと,イルカを棒で突いて海面が真っ赤に染まる場面を撮影した映画であり,要するに,イルカの「虐殺」を告発するような内容だとか。
変革のとき
現政権は,「官僚主導から政治主導へ」と言っています。
明治以来,官僚が国を動かしてきたと言っても過言ではない日本で,
脱官僚主導を旗印にした政権は珍しいのではないでしょうか。
これに限らず,昭和20年の敗戦から65年を経て,
絶対的だと思われてきた価値観が徐々に見直されているような気がします。
日本社会全体が,けっして急激ではありませんが,
大きな,「変革」の時期にさしかかっているのではないでしょうか。
弁護士業界も,合格者の増員や隣接士業の同業参入
(過払金のコマーシャルを見てください)など,ここ10年間で,
大きく様変わりしつつあります。
こうした変動期では,既存の概念や利益が壊されるわけですから,
当然に摩擦が生じます。
弁護士会も揺れています。
図式化していえば,ここ十数年来推し進めてきた「司法改革」は