~親族であれば家裁に申し立てを~

 

 

Q 親族が認知症になりました。成年後見制度があると聞いたのですが、どういう制度ですか。また、どのようにして依頼すればいいのでしょうか。

 

A 成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分になった人たちをサポートするため、後見人が不動産や預貯金などの財産管理、介護サービスの手配などを行う制度です。

 

認知症になると、物忘れの症状から自分の財布や通帳がどこにあるのか分からず、金銭管理がうまくできなくなることがあります。また、自分に不利益な契約であっても理解できずに契約を締結してしまうなど、経済的な被害に遭う恐れもあります。それでも、家の中や施設で閉じ込められて生活するのではなく、社会の中で生活し続けたいというのは、誰しもが願うことではないでしょうか。後見人は、その人の意向や生活状況に気を配りながら、その人らしい暮らしを支援する役割を担います。

 

制度を利用するには、その人が住んでいる地域の家庭裁判所に申し立てをする必要があります。配偶者や子、兄弟など一定の範囲の親族であれば、申し立てをすることが可能です。申し立てを受け、家庭裁判所がその人の状況や申し立ての実情を踏まえ、後見人を選任します。親族が後見人になることもありますが、弁護士や社会福祉士など法律や福祉の専門職が選任される場合も増えています。

 

制度に関する公的な相談機関としては、各自治体に設置されている地域包括支援センターがあります。また、大阪弁護士会の高齢者・障害者総合支援センター「ひまわり」では、毎週火・水・金曜日(午後1~4時)に電話相談(06・6364・1251)を行っており、さまざまな相談を受け付けています。

 

親族ご自身での成年後見制度の申し立てが難しい場合は、その手続きを弁護士に依頼することもできます。ご自宅や施設などへ弁護士が出張して椙談をお聞きすることもしていますので、ご活用ください。

 

 

〈回答・高江俊名弁護士=(大阪弁護士会所属)〉 

                     2013年4月20日 毎日新聞大阪版朝刊掲載

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