裁判で親子関係の立証を

 

 

Q.私は今、交際している彼の子どもを妊娠しています。

ですが、彼は妊娠したことが分かると冷たくなり、自分の子どもであることも認めてくれません。

私は子どもを産みたいと思っています。どうすれば、彼に認知してもらえるのでしょうか。

 

 

A.交際している時に仲が良かったのに、妊娠したと知ると急に態度が変わったという男性の話は聞いたことがあります。

男性が父親となることへの心構えができていない、あるいは女性の浮気を疑っていることなどが理由で、子どもを認知してくれないことがあるのです。

2人で話し合いをして認知してもらえれば一番いいのですが、それができない時は裁判所に提訴をしなければいけません。

このような訴えを強制認知といい、あなたは子どもの法定代理人としてすることができます。

 

彼氏が亡くなった場合でも、3年たつまでであれば提訴が可能です。

この裁判では、あなたは子どもが男性の子であることを証明しないといけません。

現在ではDNA型鑑定など科学的な鑑定で親子関係を比較的容易に証明できるようになりました。

費用は簡易なもので数万円程度、精密な検査で数十万円と幅広いものがあります。しかし、DNA型鑑定をする場合は、相手方の細胞を採取する必要があります。

相手方の協力を得られないと、この鑑定が利用できません。

そのような場合、さまざまな状況証拠から子どもが男性の子であることを立証しなければなりません。

 

例えば、①彼氏とは既に長年同居していた②彼氏と男女関係にあった③懐胎期間中に他の男性と男女関係がなかった④彼氏と子どもの血液型に矛盾がない⑤彼氏が子どもを自分の子と信じたような行動を取った――ことなどを証明していくことになります。

 

認知してもらうかどうかで、彼氏の子どもに対する養育責や彼氏が亡くなった場合の相続などに影響しますので、あいまいにせずにきっちり話をつけておいた方がいいと思います。

裁判はあなたご自身ですることも可能ですが、大変であれば専門家に栢談することをお勧めします。

 

〈回答・山本健太郎弁護士(大阪弁護士会所属)〉

   2013年7月20日 毎日新聞大阪版朝刊掲載

「法律のツボ」について

「弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿」は2010.1.31の開設時に当時の広報室長のご挨拶によれば①ほぼ毎日②法律業務だけでなく日常感じてる様々なことを③柔かいトーンで弁護士の日常をご紹介、とのことでしたが、最近ではその種の投稿が激減し、その穴を埋めるかのように広報室による〈法律のツボ〉が投稿され始めました。一般市民としては、当初の趣旨である「弁護士の放課後における柔かいトーンでの肩のこらない記事」を楽しみにしています。会員のみなさんに於かれましては業務ご多用かとは存じますが、弁護士を身近に感じられるような肩の凝らない記事をたくさん投稿していただければ幸いです。

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