警察や消費生活センターに連絡を

 

 

Q.うちの父が未公開株に関する投資詐欺の被害に遭いました。

最初は、医療機器メーカーの株のパンフレットが自宅に届きました。買うつもりはなかったのですが、証券会社を名乗る人から「高値で買い取る」と自宅に電話があり、それを信じて5000万円分の株を購入しました。

ですがその後、証券会社と連絡が取れなくなり、解約しようにもメーカーにも連絡が取れません。どうしたらよいでしょうか。

 

A.あなたのお父さんが被害に遭ったのは、「劇場型詐欺」と呼ばれる投資詐欺です。最近多発しており、多くの高齢者が被害に遭っています。

 

詐欺のネタに使われるのは未公開株のみならず、社債、二酸化炭素排出権などの権利取引、外国通貨などさまざまです。

この詐欺ではまず、投資先の会社のパンフレットなどが郵便で送りつけられるところから始まります。

その後、証券会社や金融機関、投資先の会社の人間だと名乗る複数の人物から、「あなたが株を買えば、私が高値で買い取る」「その会社の株は上場が間違いなく、必ずもうかる」「私は買えないので、代わりに購入してくれないか」などと代わる代わる電話が掛かってきて、投資名目で金銭をだまし取ろうとします。

いろいろな役割を演じる人間が登場するので、「劇場型」と言われているのです。

 

投資先の会社の事業は、“ニュースなどで取り上げられたものであることも少なくありません。また、証券会社や金融機関を名乗る人間は、大手の会社やそれに類似した名前を使うことが多いです。

「聞き覚えがある」という理由だけで、相手の話をうのみにしないよう気を付けましょう。不審な電話が掛かってきた時には、お金を支払う前に家族らに相談してください。

 

不幸にも詐欺に遭ってしまった場合は、すぐに最寄りの警察や消費生活センターにご連絡ください。口座振り込みであれば、振り込め詐欺救済法に基づき、口座を凍結させることも可能です。相手から送られてきた郵便物などは後々の証拠になりますので、処分しないようにしてください。また、相手の電話番号なども忘れずに控えておいてください。

 

なお、一度だまされてしまった人の電話番号は詐欺業者間に流されていることが多く、別の詐欺業者から電話がかかってくる可能性があります。

「あなたがだまし取られたお金を取り返してあげます」などと言って、更なる金銭を要求してくるのです。

そのような2次被害に遭わないためにも、可能であれば、電話番号を変更することをお勧めします。

 

〈回答・笹谷竜二弁護士(大阪弁護士会所属)〉

2013年9月14日 毎日新聞大阪版朝刊掲載

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