誇大広告に該当し返品可能

 

 

Q.先日、北海道の通販業者に「産地直送タラバガニ」を注文しました。父がカニ好きなので楽しみにしていたのですが、届いた品物を見てびっくり。中身はすかすかだし、真っ茶色に変色していました。業者に聞いたら「今回はたまたまいいカニが入らなくて」と言い訳するばかりです。業者のホームページには、きれいで大きなカニの写真を載せ、「美味!」「新鮮!」などの文字が躍っています。これって誇大広告ではないんですか?

 

 

A.お父様はさぞかしがっかりされたことでしょう。通信販売は便利な半面、商品を実際に手に取って選ぶことができないため、こういった問題が起こりがちと言えます。

 

さて、通信販売の誇大広告ですが、特定商取引法や景品表示法で禁止されています。誇大広告とは、商品の品質について、実物よりも著しく優良であると誤認させる表示のことです。典型的なものでは、ロシア産を北海道産と偽るなどの産地偽装、アブラガニをタラバガニとして広告するといった品種偽装がありますが、鮮度に関する広告ももちろん規制の対象になります。

 

今回のトラブルでは、業者はホームページにきれいなカニの写真を載せて「新鮮!」とうたいながら、真っ茶色に変色したカニを送っているのですから、誇大広告に該当すると考えられます。

 

とはいえ、ただちに返品できるわけではありません。まずは業者のホームページを見て、返品の条件を確認してください。そこに「返品できる」と記してあれば、条件に従って商品を送り返すことができます。また、返品に関する記載がない場合には、特定商取引法に基づき、商品を受け取ってから8日以内であれば返品が可能です。

問題は「返品不可」と書いてあったり、返品の条件に定められた期限が過ぎてしまったような場合です。こうした時も、そもそも業者が送ってきた商品の鮮度に問題があるわけですから、消費者契約法や民法に基づいて返品する方法が考えられます。

 

いずれにしても、無用のトラブルを避けるためには、商品を購入する前に返品できるかどうかを確認しておくことが大事です。返品可能であっても、その条件をよく見ておくことをお勧めします。

 

                              <回答・荻野数馬弁護士(大阪弁護士会所属)>

                                 2013年12月21日 毎日新聞大阪版朝刊掲載

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