裁判所書記官と裁判所事務官
入社・入学のシーズンになりました。
私の事務所はオフィス街のど真ん中にあるので、今週に入って事務所の周りで初々しい新入社員をたくさん目にします。
弁護士の入所は、だいたい12月から1月が多いので、4月がスタートの季節という感じはあまりありませんが、裁判所や検察庁では、4月から転勤等で新たな職場という人も多いと思います。
ところで、裁判所というと一般的には、裁判官のイメージですが、裁判所の仕事の多くを裁判所書記官や裁判所事務官が支えています。
その裁判所書記官になるための研修が、今日から埼玉県和光市の裁判所職員総合研修所(司法研修所の近くの綺麗な建物です)でスタートします。
裁判所書記官というのは、ご存知のとおり、法廷では法服を着て裁判官の前に座っている方たちです。
弁護士の方であればパッと浮かぶ書記官の業務として、調書作成や送達がありますが、他にも裁判手続き全般にわたって活躍されています。
この裁判所書記官にはどうしたらなれるのか?
これは私たちの同業の方でもご存知でない人がかなりいます。
周りの人の話を聞いていると、多くの方が、裁判所書記官と裁判所事務官は根っこから採用試験が異なると思っているようですが、そうではありません。
裁判所書記官になるためには、 裁判所職員総合研修所書記官養成課程入所試験(書記官任用試験)という長ったらしい名前の試験に合格したうえで、1年~1年半(法学部出身か否かで研修期間が変わります)の研修を受けなければなりません。
そしてこの書記官任用試験を受けられるのは、(例外もあるのかもしれませんが、基本的には)裁判所事務官のみです。
ですから、裁判所書記官になるためには、まず裁判所事務官の任用試験に合格して、裁判所事務官として採用されることが受験資格となるのです。
つまりどちらも根っこは同じなのです。
ちなみに最近は弁護士業界の就職難があまりにも深刻なため、司法試験に受かっても、裁判所事務官になる人も結構いるようです。
もちろん司法試験に合格しただけではなれませんから、事務官試験に受かった人に限られますが。
私たち弁護士は、裁判手続きで分からないことがあると、裁判所書記官に教えてもらうことがよくあります。
ですから裁判所書記官の方々には日ごろから直接的にお世話になっています。
今日から書記官研修が始まる方々にも、これからまた随分とお世話になると思います。
けど、あまりご迷惑をかけないように、私ももう少し裁判手続きのことをちゃんと勉強したいと思います。
そうなんですね。
根っこが同じとは知りませんでした!
新しいコメントの投稿