2014年9月8日 (月)

少年院での法教育授業

先日,「デートDV」についての法教育授業を,
少年院で行ってきました。

少年院での法教育事業は,少年院側のニーズがあり,
大阪弁護士会法教育委員会と子どもの権利委員会が,
法テラスとコラボして実現した企画です。

 

 

デートDVとは,交際相手からの暴力のことをいいます。
特に,若年層の交際相手からの暴力についての
啓発活動の意味が込められている言葉だと思われます。

 

いわゆるDV防止法が昨年改正され(今年1月施行)
(「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」),

これまでは,配偶者又は元配偶者からの暴力を
適用対象としていたものが,

生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における
共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)

をする関係にある相手からの
暴力及びその被害者についても,
DV防止法の適用の対象となりました。

 

このようなDV防止の改正も,
交際相手からの暴力が社会的に問題となっており,
そこに,外部からの発見・介入が困難であり、
かつ、継続的になりやすいという配偶者間暴力の
類似性があったことを受けたものだといえます。

 

 

さて,私が,デートDVの法教育授業を実施したのは,
出院準備期に入った少年たちでした。

 

DVの「暴力」というのが,身体的暴力だけではなく,
精神的暴力(暴言,ののしる,蔑む等)
社会的暴力(友人等の連絡をさせない,束縛する等)
経済的暴力(生活費を渡さない等)
があることを一緒に確認して行きました。

 

それから,
・なぜデートDVの関係にハマってしまう?!
・デートDVの被害者にならないためにはどうしたらいい?
・ふつうの彼氏彼女の関係ってどういうもの?
ということについて,少年に発言を求めながら一緒に考えました。

 

 

そして
・デートDVの関係から抜け出したい

そんなとき,頼れるのは?

 

まず親とか友人とか。
それ以外にも相談窓口は多数あること,
中でも,無料で相談できる窓口としては,
法テラスがあることが紹介されました。

 

最後に,出院前の少年たち方へ伝えたメッセージ。

 

少年院の中では,
「もうぜったいに悪い関係の人と付き合わない。」と
本気で思って,固く誓って出院した。

なのに,いざ社会に出てしまうと,
淋しくて,相談できなくて,やっぱり昔の関係に戻ってしまった。

 

そんなことを経験している出院者はたくさんいる。
だからこそ,そうやって自分がぶれそうになった時に

歯止めになるものを持ってほしい。

 

あなたがたは,まだ子どもだから,
自分ではどうしょうもないことが絶対にでてくる。
その時に,自分で何とかしようと思うんじゃなくて,
人に頼る力をつけること,それが必要だと思う。

 

 

そして,その時に頼ることができる存在として,
弁護士というのも頭の片隅に入れて置いて欲しい,
そんなに遠い存在じゃないから。

あなた方を応援しています!!

デートDV

社会に出るとさみしくて、というのが最大のハードルですかね。
なお、デートDVという呼び方、もっとぴったりなものがあるような、ないような。
初めて聞かれた方は、文字通り、デート中のDVをイメージしてしまうようで。

賛成です。

私もデートDVってぴんっとこないと思います。デート中=一時的なもの,みたいなミスリードにつながってしまいますよね。

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