暑い日が続きますね。
そんな暑さの中の夏の風物詩って,心を和ませてくれますね。
大阪弁護士会1階には,「仙台七夕in大阪」の吹流しが
飾られていていました。
慌しい毎日に,涼しい風が吹き込んだ気分でした。

 


さて,私は,大阪弁護士会子どもの権利委員会所属です。
同委員会の部会活動の一つとして,
「少年事件で少年と面会した弁護士が,どのくらい受任に至ったか」
という調査を毎月行っています。

 

今回は,その調査結果を踏まえながら,
これは知っといてもらわないと!という衝動に駆られたことを,
この場を借りて発信させていただきます。

 

 

前提として,
家庭裁判所で少年審判を受ける非行少年の権利を守り,
援助する者のことを「付添人」といいます。

 

審判を受ける少年は,年間約54000人ですが,
そのうち付添人がついているのは,約1割。
少年鑑別所に収容されている少年でも,
約40%しかついていません。

 

成人の刑事事件に98%弁護士がついているのと比較すると
圧倒的に低い率にとどまっています。


 

この最大の原因は,平たく言うと,
成人の場合には「国選弁護人」制度があり,
ほとんど自動的に弁護人がついて,
しかも多くの場合,無料で利用できるのに,
少年に対しては全面的な「国選付添人」の制度がない点にあります。

 


委員会での報告を聞いていると,
子どもは「弁護士をつけるかどうかは,
親の意見を聞いて決める。」といいます。

 

親は「(成人の)国選はタダやのに,
少年付添人の親申込みならお金を払わなければならないのなら,
弁護士は要らない。」と言います。
少年申込みがある事を説明しても,親が要らないといえば,
少年は「親が要らないと言っているのなら要らない。」
として,付添人選任に至らないことが多々あります。

 

親と少年に選択権が委ねられると,
少年に付添人がつくかどうかは,
親の意向に多分に影響を受けます。

特に,問題の根底に親子関係がある場合には,
親の意向に立ち入りできず,
子どもの権利擁護のチャンスが失われます。


 

そもそも,一般の方に,
少年事件に弁護士がつくことの必要性と意義が
ほとんど知られていないことも要因の一つにあると思います。


 

審判を受ける非行少年に弁護士が付き,
・少年をえん罪から守ること
・少年の意見を伝えること
・少年の立ち直りを助けること
この意義はとても大きいものです。


少年の身体拘束は「国家権力により身体的自由を奪う」ものです。
身体拘束されることにより,乱れた生活といったん遮断し,
内省を深めるという効用があったとしても,
何か問題が生じた時にいち早く対応できるのは弁護士です

 

また,付添人がつき,第三者的立場から,
非行少年が抱える家族関係,友人関係に
アプローチしていくことで,
少年審判の場が立ち直りのチャンスとなる幅が広がります。

 

その他,被害者に対する回復措置について,
弁護士が間に入って調整できる可能性が出てきます。

 

何よりも少年にとっては,自分の抱える課題を,
面と向かって話すことができる大人がいるだけでも

意義のあることです。


 

このように,全ての少年に付添人がつき,
少年の権利が守られることの重大な意義を
見過ごすことはできません。

 

現段階では,日弁連が主体となり,
国の法制度の不備を肩代わりしています。

具体的には,日弁連が全国の弁護士から徴収した会費を使って,
付添人報酬を支払う制度を創設し,運用しています。
弁護士の会費を当事業に,年間約7億円投じています。

 

日弁連は,少なくとも少年鑑別所に収容されて
身体拘束を受ける少年を対象とする
「全面的国選付添人制度」の立法化を求め
実現本部を作って活動をしています。↓
http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/tsukisoi.html

 


以上,今回何が言いたかったかというと,

総括しますと,
 

・一般の方には,
少年事件において,付添人はどんどん利用しよう!
少年が心置きなく付添人を利用できる
「全面的国選付添人制度」実現を応援しよう!

 

・弁護士の方には,
付添人がつく意義を,少年と親にどんどんアピールしていこう!
子どものために,積極的に少年事件の付添人となろう!

ということです。

 

目指そう!全面的国選付添人制度!

少年事件

弁護士に話をするだけで、
少年たちの不安が徐々に和らいでいくように見えますよね。

活動がんばってください!

ご指摘の通りだと思います。少年には,集中してみんなが「愛情

ご指摘の通りだと思います。少年には,集中してみんなが「愛情」を注いで軌道修正していくという課程が必要だと感じています。

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