最近、法律相談に行った際にご夫婦の一方が外国人である方から夫婦関係に関するご相談をいただくことがぽつぽつとございます。

厚生労働省の人口動態調査によれば2012年に成立した婚姻の中で3.5%は夫婦のいずれかが外国人ということなので、30組に1組はいわゆる国際結婚ということになる計算です。

そういえば、学生のときはクラスに2人親御さんが外国人の友人がいたな、ということをふと思い出しました。

このように外国人と日本人の夫婦は昔と比べて増えてきていると言わざるを得ません。
それに伴って問題を抱えるご夫婦も増えてくることになるのですが、いざ裁判・・・ということになると日本人同士と同じようにはいかない部分も多々あります。

1.調停
  相手方が日本にいるのであれば起こすことができます。もっとも、話し合いでの解決を目指すものですので、相手が出席してこなければ不調になってしまうのは日本人同士の場合と同じです。

2.人事訴訟
  国際裁判管轄が日本にあるかということがまず問題となります。
  離婚訴訟(婚姻無効もこれに準ずると考えられている)の国際裁判管轄は法律に定めがありませんが、判例上、
「被告の住所がわが国にあること」(原則)
  または、
「原告が遺棄された場合、被告が行方不明である場合その他これに準ずる場合」(例外)

に日本に管轄があるとされています(最大判S39.3.25民集18-3-486)。

裁判例上は
・既に密接な関係を有する訴訟(後婚の取消訴訟)が日本の裁判所に提起されていた場合に反訴として前婚の婚姻無効確認訴訟を提起した場合(東京高判H18.4.13判時1934-42)

・被告が本国に婚姻届を出しておらず、原告と被告が同居をしたことがなく、被告が訴状になんらの応答をしない場合における婚姻無効確認訴訟(福岡地判H8.3.12判タ940-250)

などに日本に管轄が認められたものがあります。

じゃあそのほかにどういう場合が例外にあたるんだ!?というと、この部分については判例の集積がまだまだ・・・という状況のようです。

日本人同士であっても夫婦の一方が外国に居住していると同じような問題が生じますので、夫婦の一方が外国人である場合特有の法律問題ということではないかもしれませんが、国際私法に対する配慮は外国人の方が当事者になる場合特に大事にしないとな、と思います。

30組に1組

葉野先生、ありがとうございます!
確かに、国際結婚のお話はよく耳にするようになりましたが、30組に1組なんですね!
なるほどー。

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