2016年8月1日 (月)
クールビズ
裁判官が法廷で着ている真っ黒な「法服」。絹でできているが,通気性がよくないので夏は暑い。書記官のそれはポリエステルでできていて,余計に重く,暑い。私が司法修習生だった13年前に書記官の方から聞いた話だ。
そのころは夏に軽装で仕事をするという概念があまりなく,みんな暑いのを我慢してネクタイを締め,上着を着ていたのだが,ただでさえ風通しの悪い裁判所,ある日法廷に行ったら,あまりの暑さに書記官が,「こち亀」の両津勘吉よろしく法服ごと腕まくりして席に座っていた。法廷の権威も日本の猛暑の前には形無しである。
みんなが限界を感じていたのだろう。当時環境大臣だった小池百合子氏が「クールビズ」を打ち出したのは2005年。昭和の「省エネルック」とは打って変わってすっかり定着し,もう10年以上が経つ。
ひょっとすると小池さんは,夏がお得意なのかもしれない。10年たって真夏の首都で戦う小池さんは,夏の日差しを追い風にしたようになんだか元気だった。私もそうだが,暑さが苦手な人間にとっては,夏を味方にする人がうらやましく感じられる。