Googleサジェスト判決の報道に接して
検索エンジンのGoogleには,入力途中に検索ワード候補を自動表示する「サジェスト機能」があります。例えば,「ホリエモン」と入力すると,「ホリエモン ブログ 獄中」など,数組の検索ワード候補が表示され,クリックすると,その検索ワードによる検索結果が表示されます。
この機能に関し,ある個人が米国Google社を訴えていた事件の判決が,4月15日に出ました。原告は,自分の氏名をGoogleの検索ウインドウに入力すると,身に覚えのない犯罪行為への関与を連想させる単語が表示されることから,名誉棄損が成立するとして,表示の差止めと損害賠償を求めていたところ,東京地裁は,Google社に対し,差止めと慰謝料30万円の支払いを命じたそうです。
確かに,「大江弁護士」と検索ウインドウに入力したときに「大江弁護士 業務上横領」という検索ワード候補が表示されたら,普通の人は,大江弁護士が業務上横領をしたか,その嫌疑がかけられていると思うでしょうから,そのような検索ワード候補の表示自体が,大江弁護士の社会的評価を低下させるといえるように思います。
電子書籍がやってきた
少し前にブログで話題に挙がっていましたが、
Kindleを買いました。
来たばかりで、全然使いこなしていなくて、
タブレットPC代わりに近い状態ですが、
試しに、無料の小説ばかり、いくつかダウンロードしてみました。
著作権の関係でしょうか、
古い著作は無料のものもありますね。
久しぶりに「ドグラ・マグラ」や「黒死館殺人事件」(注:古典といって良い、ミステリィです。)なんかを読んでみようと思います。
まだ単行本でしか刊行されていない、
持ち運びにはちょっと重い本などには、
ちょうど良さそうですね。
分冊になっている場合にも、
持ち運びには便利でしょうね。
(上巻が読み終わりそうなときに、上下巻を持ち運んだり、下巻を持ってないという事態はさけられるかも)
もっとも、値段は、まだまだ、紙媒体の書籍と大きく変わらないようです。
水俣病と最高裁判所
4月の新年度からはや2週間半が経ちました。
異動,転勤等された方は,ちょうど環境に慣れたころでしょうか。
さて,水俣病訴訟につき,先日,最高裁判所が画期的な判断を下しました。
行政の裁量を規制し,行政の認定基準によらずして,個別具体的に患者認定をするようにとの判断をしたのです。
消極的司法が動くほど,水俣病における行政の対応はあまりにひどいものであったのだと痛感すると同時に,最高裁判所が,「憲法の番人」,「人権の最後の砦」であることを思い出しました。
経済成長の名の下に,犠牲になり,病気に苦しみ,さらに,行政の対応に憤懣やるかたなくお亡くなりになった方々を思うと,無念でありません。
この判決を受けて,不当な行政の対応については,毅然と闘う弁護士でありたい,と強く心に思いました。
弁護士劇団ななころび
突然ですが、皆さんは「弁護士劇団ななころび」という劇団をご存じでしょうか。
知らないですよね。
知らない方が当然だと思います、知ってたら超マニアックです。
この「弁護士劇団ななころび」というのは、もともと弁護士会での主に遺言・相続に関するイベントで寸劇をするために弁護士会内の有志の弁護士が集まってできたものです。
例年、4月15日と11月15日の「良い遺言(いごん)の日」と「いい遺言(いごん)の日」に弁護士会で記念イベントをするのですが、その中で寸劇やコメディーなどを行って地道に活動してきました。
最近では、遺言・相続分野にとどまらず、中小企業支援センターの発足イベントでたむらけんじさんと一緒に寸劇をしたり、弁護士会内にとどまらず読売新聞本社内で同社主催のイベントに出演したりと活動の幅を増やしつつあります。
メンバーはすべて弁護士であり、演劇についても基本的に素人です。
しかも皆当然普段は本業をしていますので、練習時間も限られています。
松本清張ベスト
先日,書店に行くと,新潮社より,「松本清張傑作選」(全六巻)が発売されていた。
浅田次郎,宮部みゆきら6人が,松本清張の作品を,それぞれ独自の視点でセレクトしたというものである。
早速,6冊買って読んでみた。短編が収録されており,ほとんどの作品は読んだことがあったが,改めて読むと,やはり面白い。ストーリーに引き込まれ,電車に乗っていると,もう駅に着いてしまったのという感じ。
エンディングが鮮やかで,思わずうなってしまうほど。
この機にほかの清張の短編を読み返してみて,ベスト5をチョイスしてみた。
1位 「真贋の森」
2位 「陸行水行」
3位 「危険な斜面」
4位 「顔」
5位 「共犯者」
ちなみに,長編のマイベストは,「わるいやつら」である。