夕食誘った部下の女性社員 「セクハラ受けた」と訴え-<法律のツボ>
体に触れる行為は要注意
Q.私は会社で課長をしています。先日、課の中で一番努力してくれている部下の女性社員を慰労しようと、夕食に誘いました。
ところが、この社員が翌日、「体を触られ、食事に誘われた」として、私からセクハラを受けたと会社の総務部に訴えたのです。確かに肩に手を置いたのは事実ですが、そんなつもりはありませんでした。どうしたらいいでしょうか。また、セクハラになるかどうかの線引きってあるのですか。
A.セクハラとは、日常用語では「相手の意に反する不快な性的言動」と理解されています。一方、職場のセクハラについて定めている男女雇用機会均等法は「性的な言動への対応で労働者が不利益を受けること。または性的な言動で就業環境が害されること」と規定しています。
つまり、セクハラに該当するかどうかは、相手の意に反するものであったか、就業環境を悪化させるものであったかが判断要素になります。
厳しい会社経営状態 養育費満額は困難-<法律のツボ>
減額は可能、再度話し合いを
Q.離婚した元妻に娘の養育費を支払っているのですが、私が社長をしている会社の経営状態が厳しくなり、満額を払うことが難しい状況になっています。元妻に伝えると、「裁判を起こす」と言っています。減額を認めてもらうことはできないのでしょうか。
A.養育費は、子どもを養育するための金銭ですので、継続的、安定的に支払うことが求められ、これを一方的に変更することはできません。しかし、養育費を決めた時には予測できなかった事情の変更があった場合などには、変更することができます。
過去の裁判で減額が認められたケースとしては、
▽離婚した前配偶者が再婚し、子どもを養子とした場合
▽転職や病気で収入が大幅に減少した場合――があります。
他方、増額が認められたケースとしては、
▽子どもの進学に伴い教育費が増加した場合
いわゆる仮監が移設になりました。
前回、裁判所構内における接見について、という記事を書きました。http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/93/entry/1556
隣の部屋から怒鳴り声と男児の泣き声 児童虐待の疑い-<法律のツボ>
児童相談所や市町村窓口に相談を
Q.私が住んでいるアパートの隣の部屋から先日、男性の怒鳴り声と男児の泣き声が聞こえてきました。
数日後、その男児と廊下で顔を合わせたら、顔が腫れていて、誰かから暴力を受けているようです。虐待かもしれないと思うのですが、隣の人に直接尋ねるのも怖いです。どうしたらいいのでしょうか。
A.近所の子どもの様子に不審を抱いても、よその家庭のことはよく分からないものですし、その親との関係悪化を恐れて介入をためらうのも当然です。しかし、児童虐待を疑ったら、できるだけ早く児童相談所(全国共通ダイヤル0570・064・000)や市町村の窓口などに相談してください。
児童虐待防止法は、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した」場合、相談機関に通告することを全ての国民の義務と定めています。児童虐待には暴力だけでなく、性的行為や言葉・態度による脅かし、育児の怠慢なども含まれます。