2011年9月14日 (水)

これでいいのか裁判員裁判

 いきなり挑戦的なテーマを掲げましたが,私は,裁判員裁判をよりよい制度になおしていこう,という推進の立場です。そのうえで,あえて「これでいいのか」と問いたいのは,裁判員の皆さんに課された罰則付きの守秘義務です。守秘義務の範囲を緩やかにして,裁判員裁判の良し悪しを,もっと自由に議論できるようにしたいのです。

 

 裁判員法には,施行から3年経ったら,それまでに行われた裁判員裁判の内容を検討し,必要に応じて改善することが定められています(裁判員法附則9条)。

 裁判員裁判は,2009年(平成21年)5月21日に始まりました。2012年,来年の5月には,制度誕生から満3年を迎えます。つまり,来年から,裁判員裁判の見直し作業が始まることになっているわけです。

 

 私はこれまで,2件の裁判員裁判の弁護人を務めました。また,現在,公判中の事件と,年末の公判を目指して争点や証拠を整理中の事件が,それぞれ1つずつあります。全国で行われた裁判員裁判の総数に比べたらわずかですが,それでも「変えなきゃ」と思う点はいくつかあります。

 

2011年5月22日 (日)

再審判決シンポジウム

 

 身に覚えのない罪で投獄されないために,私たちがしなければならないこと。

 警察官,検察官の行う取調べの全過程を録画し,取調べのありようを検証する仕組みを確立することです。

 

 3月19日の拙ブログ(http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/59/entry/784)でご紹介した布川事件の再審判決が,いよいよ5月24日に言い渡されます。

公判の進み具合をみる限り,無罪判決の可能性が極めて高いといえるでしょう。

2011年3月19日 (土)

もうひとつの被災

 

29年の獄中生活を経て訪れた雪冤の機会は,未曽有の震災によって延期となりました。

これも,“被災”のひとつのあらわれです。

 

桜井昌司さんと杉山卓男さんは,1967年(昭和42年)8月,茨城県利根町布川で起きた強盗殺人事件「布川事件」の犯人として,無期懲役刑を言い渡されました。

1996年11月,相次いで仮釈放されるまでの29年間,2人は囚われの身でした。

裁判で,獄中で,そして仮釈放後も,一貫して無実を訴え続けた2人の叫びは,一昨年,ようやく裁判所に届きました。

再審決定です。

2010年7月,水戸地方裁判所土浦支部で,再審公判が始まりました。

6回の公判を経て,2011年3月16日,2人に無罪が言い渡されるはずでした。

2011年3月11日,大地震と津波が東北地方を襲います。

被災した裁判所は,再審公判の判決言渡しを延期しました。

 

2011年1月18日 (火)

地位が人をつくる

映画「エクスペリメント」を観ました。

40年前,アメリカの大学で実際に行われた心理学実験から着想したという触れ込み。

ドイツ映画「es」のハリウッドリメイク版だそうです。

エイドリアン・ブロディとフォレスト・ウィテカー,アカデミー俳優を2人も起用してます。

まあ,おひとりは,どうかすると,ツルベ師匠と錯覚してしまうんですが。

高額の報酬を約束して集めた被験者を看守役と囚人役に分け,雑居房と監視室を備えた模擬の監獄に,2週間閉じ込める。

看守役は制服と警棒を身につけ,囚人役は,名前ではなく番号で呼ばれるなど,本物さながら。

2010年12月8日 (水)

勇気

 

 先日来,立て続けに,裁判員を経験された方の体験談をうかがう機会がありました。

 前回の投稿で,大阪弁護士会主催のシンポジウムをご紹介しましたが(http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/59/entry/586),裁判員経験者8人が参加された大阪地方裁判所主催の意見交換会も,傍聴に行ったのです。

 

 裁判員を務めた後,「あんな経験,二度としたくない」と思われた方が,こういうイベントに参加されることは,まずないでしょう。

 

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