ノルマ未達成で衣料品買い取り バイト 大きな負担に
Q. 大学生の私は学費を稼ぐため、衣料品販売店でアルバイトをしているのですが、ノルマを達成できないと商品を買い取らされるので困っています。飲食店でアルバイトをしている同じ大学の子に聞くと、「私も『週2回勤務でお願いします』と言っていたのに、勝手に週3回勤務にさせられた。これじゃ勉強できないよ」って嘆いています。最近、アルバイトに対する負担が過重になっている気がするのですが・・・。
■労基署などに相談を
A. 長時間労働を強制されたり、重いノルマを課せられたりと、お二人とも近年問題になっている不適切なバイトの典型例ですね。企業は今、人件費削減のため、従来は正社員がしていた業務まで時給の安いアルバイトにさせるようになっています。一方、アルバイトする学生の方も、仕送りが減るなどして学費や生活費を自分で稼がざるを得ず、ひどい労働条件でも辞めることができません。こうした昨今の社会状況が「悪バイト」を生み出したと言われています。
雇い主と働く人がそれぞれどういう権利を持ち、義務を負うかは、労働契約によって決まっています。アルバイトも同じです。労働契約の内容は、原則として労働契約書に記載しなければなりません。厳しいノルマがあり、達成できなければ自分で買い取らなければならないということが書かれた契約書をあなたはそのアルバイトを始める前にバイト先と取り交わしていなかったのではないでしょうか。そうだとすると、あなたと雇い主は「ノルマ未達成時には商品を自分で買い取る」という契約はしておらず、あなたに買い取り義務はありません、雇い主から要求されても拒否できます。
もし、労働契約にそうした義務が定められている場合、内容や契約締結の状況によっては、そのような義務を定めた条項は無効になることもあります。
また、勤務シフトを週2回から3回へと勝手に変えられたことも、最初の労働契約とは異なる労働条件にされたということになりますので、受け入れる義務はありません。約束が違うとしてすぐに辞めることもできますし、週2回勤務にしてくれるよう要求することもできます。
アルバイトだからといって、諦めないでください。当然のことですが、アルバイトにも労働基準法が適用されます。残業代は請求できますし、年次有給休暇を取る権利もあります。法律で決められた労働時間を超える長時間労働は許されません。自分の労働条件について疑問に思ったら、労働基準監督署や弁護士に相談してください。
※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。