「消費者契約法の一部を改正する法律」の成立に対する会長声明

「消費者契約法の一部を改正する法律」の成立に対する会長声明

 2018年(平成30年)6月8日、「消費者契約法の一部を改正する法律」が成立し、同月15日に公布された。
 改正法では、取り消しうる不当勧誘行為の類型として、新たに、いわゆる就活商法、恋人商法、霊感商法等が追加され、消費者が救済される範囲が広がることになった点は、評価することができる。
 もっとも、恋人商法等によって締結した契約を取り消すためには、「社会生活上の経験が乏しい」「判断力が著しく低下している」という要件を満たさなければならないため、救済の範囲がなお限られたものとなっていることは問題である。
 加えて、消費者が契約を解除した場合の違約金の条項を無効とする消費者契約法9条1号の規定について、高額かどうかの判断基準である「事業者に生ずべき平均的な損害の額」の立証を消費者が行うことは難しいとの指摘が従前からあったにもかかわらず、今回の改正では何らの手当ても行われなかった。
 当会は、衆議院もしくは参議院が附帯決議したとおり、政府において、「社会生活上の経験が乏しい」という文言は若年者に限定されないこと等を明確にするとともに、「判断力が著しく低下している」という文言も、救済される範囲が不当に狭いものにならないように解釈を明確化し、これらを周知することを求める。あわせて、高齢者等が合理的に判断できない事情に乗じて勧誘した場合の意思表示の取消権(いわゆるつけ込み型不当勧誘取消権)の創設、及び消費者が契約を解除した場合の違約金に関する消費者契約法9条1号についての立証責任の緩和等についても直ちに改正に向けた作業に着手するよう求める。

2018年(平成30年)8月2日
     大阪弁護士会      
      会長 竹 岡  富 美 男

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