ロシア連邦のウクライナに対する軍事侵攻に反対する会長談話
この度、ロシア連邦はウクライナに対して軍事侵攻を行い、ロシア連邦自身がこの軍事侵攻を認めている。また2022年2月26日、日本政府はロシア軍の侵攻を「侵略」と認定している。
国連憲章は、その前文において「国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し」た旨を規定し、また、国連憲章第2条は、「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危くしないように解決しなければならない。」「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」と規定している。この国連憲章の武力行使の禁止は、戦争が最大の人権侵害であることを踏まえて規定されたものである。ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻は、明確に国連憲章に違反するものであり、決して容認出来ない。
日本国憲法前文は、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、第9条において、「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定する。
弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とするものであり、日本政府に対し平和的紛争解決に向けたなお一層の努力を求めるとともに、ロシア連邦によるウクライナに対する軍事侵攻に強く抗議する。
2022年(令和4年)2月28日
大阪弁護士会
会長 田中 宏
大阪弁護士会
会長 田中 宏