戦後80年の今、改めて今後も平和を堅持することを政府に求める会長声明

戦後80年の今、改めて今後も平和を堅持することを政府に求める会長声明

 当会はこれまで、日本国憲法の恒久平和主義の精神を尊重し、立憲主義を守る立場から、日本の安全保障に関する様々な会長声明を発出してきた。
 すなわち、当会は、2015年9月19日付け「安全保障関連法の参議院強行採決に抗議し廃止を求める会長声明」において、同法は、集団的自衛権の行使を認めるものであり、憲法第96条による改正手続を経ずに同法を制定することは、立憲主義及び憲法第9条に違反すると批判した。
 さらに、2022年12月16日、政府が「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(以下「安保三文書」という。)を閣議決定し、「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を認めたことに対して、当会は、2023年3月9日付け「『反撃能力』の保有に反対する会長声明」を出し、「反撃能力」の保有は、日本国憲法第9条及びその根底にある恒久平和主義に反するものであり、安保三文書は、上記2015年の会長声明で指摘した疑念をさらに拡大するものであるとして、安保三文書に示された「反撃能力」保有に反対した。
 一方、世界に目を向けると、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻、2023年10月からのハマス等とイスラエルとの間における紛争など、各地で深刻な武力紛争が発生し、長らく継続している。そこでは、核兵器の保有を背景とした威嚇も行われており、核兵器使用のリスクも高まりつつある。
 憲法第9条の解釈には様々な立場があり得るものの、再び広島、長崎への原爆投下のような人類に悲惨な結果をもたらす甚大な核被害という事態を決して容認してはならないという点については、世間においても広汎な一致がある。この点は、世界で唯一、戦争による核被害を被った私たちの日本国憲法前文の平和的生存権及び第9条の精神の根幹であり、国是と言える。
 太平洋戦争勃発前、弁護士会は戦争への道を止めることができなかった。その反省も受け、大阪弁護士会会則第8条は、「世界の平和と人類の幸福に貢献」することを明記している。
 本年12月12日に長崎で実施された日本弁護士連合会人権擁護大会で、「戦争をしない、させない 長崎宣言」が採択された。そこで宣言されているように、平和の維持のためには、武力による抑止に頼るのではなく、政府間の外交を筆頭に、経済界、市民社会、そして法曹界等、さまざまなレベルで外交を行い、諸外国と密な関係を構築することこそが必要である。当会は、今年が戦後80年に当たることにも鑑み、日本国憲法の前文の平和的生存権及び第9条の精神及び国是からして、改めて今後も平和を堅持することを政府に求める次第である。

2025年(令和7年)12月25日
          大 阪 弁 護 士 会      
          会長 森 本  宏

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