外国籍者に対して過度な負担を課す出入国管理及び難民認定法の改定に反対する会長声明

外国籍者に対して過度な負担を課す出入国管理及び難民認定法の改定に反対する会長声明

 内閣は、2026年3月10日、在留資格変更等に係る手数料の上限額を引き上げる出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という。)の改定案(以下、「本法案」という。)を国会に提出している。
 本法案は、現行入管法第67条が規定する1万円の上限額を、在留期間更新や在留資格変更についてはその10倍の10万円に、永住許可についてはその30倍の30万円に大幅に引き上げるものである。また、具体的な手数料の額は引き続き政令に委任し、在留期間に応じて定めるとしている。
 この点、政府は、上記上限の引き上げの趣旨につき、「今後、在留外国人のさらなる増加が見込まれるところ、外国人の適正かつ円滑な受け入れや秩序ある共生社会の実現に向けた受入れ環境整備等に係る各種施策を強化・拡充するために、受益者負担の観点から外国人に相応の負担を求めることが必要である」と説明している。
 しかしながら、労働力不足の解消、税収入の増大に伴う福祉制度の充実化、多様な意見に支えられた個性を尊重する社会の実現など、在留外国人の増加に伴って受益するのは日本社会全体であるともいえ、外国籍者だけにその負担を課すことは妥当ではない。また、在留期間更新や在留資格変更の手数料は、2025年4月1日に4000円から6000円に引き上げられたばかりであり、現行の1万円の上限を増額しなければならない立法事実を見出すことも困難である。
 一方、在留資格を確保しながら日本で生活する必要のある外国籍者にとって、手数料の大幅な増額は、それ自体がその生活に深刻な影響を与えかねない。加えて、手数料が負担できないことを理由に、不本意にも帰国を余儀なくされることや、帰国後の生計の見通しが立たないために、非正規滞在に移行せざるを得ない事態が生じることも懸念される。
 このように、本法案による手数料の上限の大幅な引き上げは、外国籍者に対してのみ過度な負担を強いるものであるばかりか、多文化共生社会の推進を後退させる施策であると言わざるをえない。
 したがって、当会は、本法案による手数料の上限の大幅な引き上げに反対する次第である。

2026年(令和8年)5月25日
               大 阪 弁 護 士 会
                会 長 中 井 洋 恵

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